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種類豊富過ぎて選べない?ロボット展12/2まで

2023年11月30日 (木)

イベント11月29日から12月2日まで、東京都江東区の東京ビッグサイトにおいて2023国際ロボット展が開催されている。出展者数650社、出店コマ数3500と、過去最大規模。場内には多様な産業ロボットが展示され、デモンストレーションには黒山の人だかりができるほどの盛況となっている。日本の物流業界では24年問題に向け、省人化、効率化、自動化への機運が高まっているが、そうしたニーズに合致する製品が多く展示され、多くの人が展示説明に聞き入っていた。

展示されている物流向け自動化ソリューションは自動フォークリフト、パレタイズマシン、ピッキングマシンなどが国内外の多数の企業から出展されている。デンソー、ファナックなどの工作機械の大手メーカーも、物流などの現場で人と一緒に作業を行う「協業ロボット」を多数出展。物流に特化したメーカーと併せると、物流ロボットはかなりの点数、ブース数で展示が行われている。機種も正確でスピーディー、かつ扱いやすいなど、自動化ソリューションの分野が成熟してきており、いずれも優劣つけがたい状況になってきているともいえる。

そんな中で目を引いたのが、デンマークに本社を置くオンロボットだ。オンロボットの製品の2本柱の1つは「D:PLOY」(デプロイ)というロボットとシステムをパッケージ化した製品。もう一つは、汎用性の高いエンドオブアームツールだ。デプロイではロボットアームに任意のロボットハンドをあらかじめ取りつけたロボットシステムと、オンロボット側のクラウドにアップロードされたデータを使って制御する制御システムからなる。ユーザーは現場でプログラミングなどで動きをコントロールする必要がないため、設置してから極めて短時間で実作業を始めることができる。

エンドオブアームツールはいわばロボットハンドだ。物流の現場では荷物を持ち上げる挟み込み式や真空式のグリッパーがロボットハンドとして使われているが、オンロボットではこの先端のロボットハンドだけを製品化している。オンロボットのロボットハンドはアダプターを介してファナックやデンソー、NACHI、ユニバーサルロボットなど13社のロボットアームに取りつけて使用することができ、デプロイ制御システムを使うことができるので、使用者はプログラミングなどの煩瑣(はんさ)な作業なしでロボットを稼働させることができる。

オンロボットのGM(ゼネラルマネージャー)であるジェームズ・テイラー氏によると「ロボットのシステムは、パッケージ化することで導入コストが低廉になる。また、互換性の高いロボットハンドは、ユーザーがすでに持っているロボットアームを利用できるので、これもまた低コストで運用を始めることができる」と語った。

物流の現場にロボットを導入すると、必ず人と一緒に作業をする場面がある。そうした場合の危険回避機能などもあるのだろうか。この疑問に対して、「ロボット自体に危険回避機能は付いてないので、人間に危害が及ばないような設定を行う必要がある。しかし、将来的には人が行っている作業はすべてロボットに置き換わっていき、そうした設定すら必要なくなっていくだろう」とテイラー氏は語った。

▲オンロボットGMのジェームズ・テイラー氏

前述したようにあまりにたくさんの機種があり、ピッキングロボット1つをとっても多くのメーカーから発売されており、それぞれの説明を聞いてもなかなかどれか1つに選びきれないような状況でもある。そのような状況で、物流各社はどのように選ぶのだろうか?

野村不動産は物流拠点、「Landport習志野」にさまざまな自動化ソリューションを集め、組み合わせを試すことができる「テクラム・ハブ」を開設しているが、例えば複数のロボットを異なるWMS(倉庫管理システム)と組み合わせて自社のフローに最適な組み合わせを試すようなことは、なかなかできないのが現実だ。自動化ソリューション導入の障壁にはさまざまな「わからなさ」がある。「どの代理店に相談すればいいのか?」「購入とリースではどちらがいいのか?」「AとB、AとCを組み合わせた場合は、どちらが自社の仕事に適しているのか?」などなど、モノが大きいこともあるが、なかなか選びきれないところがある。これから人的リソースが不足するのが確実視されている今、物流企業の自動化推進のためには、複数の自動化ソリューションを組み合わせた場合のシミュレーションや、各社の環境への最適化などの提案ができる存在がさらに求められるのではないだろうか。

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LOGISTICS TODAY編集部
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