話題「物流の2024年問題」発生が危惧される2024年4月まで、あとわずか。
トラックの待機時間が依然として課題にあがるなか、国土交通省が制定した「荷主事業者・物流事業者に対するガイドライン」には荷待ち・荷役時間の2時間以内ルールが盛り込まれている。取り組みを進めなければ、コンプライアンス違反として企業の信頼性を疑われることにもなりかねない。対策のひとつとしてバース管理システムの駆け込み需要が増加している。
一方でバース管理システムの導入に際して、待機時間の削減効果だけでは荷主企業や物流センターにとって費用対効果が望めない。そこで費用対効果を高め、省人化・効率化に一貫して取り組めるのが、シーイーシーのバース管理システム「LogiPull」(ロジプル)だ。
エリア統括事業本部 西日本サービス事業部 第二サービス部 グループマネジャーの西山充氏にLogiPullの強みを聞いた。
物流業務を省人化するバース管理システム「LogiPull」
トラックの入場時間を予約制にして、物流センターや工場におけるトラックの待機を緩和する。これがバース管理システムの主たる目的だ。加えてスマホやタブレットと連携して、受付やドライバーの呼び出し連絡を自動化する機能や、入退場時間、作業時間、待機時間のデータを取得・蓄積し、見える化する機能が基本機能として備わっているシステムが多い。シーイーシーが提供するLogiPullも同様である。
基本機能のみを求めるのであれば、他社製品を検討する選択肢もあるだろう。しかし、LogiPullには強みがある。個社別の運用に対応できる高い開発力、カスタマイズ対応力だ。
「たとえば予約車両をカメラで車番認証して、積み下ろし場所を判断し、電光掲示板で車両を誘導する。こういったハードウェアを組み合わせるカスタマイズに対応できます。他社様では実現が難しい運用にも対応できるのが、我々の強みと自負しています」(西山氏)。
この例以外にも、トラックスケール、NACCS(貿易関連の行政手続きと民間業務をオンラインで行う輸出入情報システム)との連携など、顧客の運用に沿った形でさまざまなカスタマイズ実績を持つ。
バース管理システムで予約受付「のみ」が実現できたとしても、守衛所での車番確認や広い構内における車両誘導、専用伝票の取り扱いなどで人員を必要とするケースもある。それでは、システム導入企業の費用対効果が低くなってしまう。LogiPullはこうした悩みにも対応しており、守衛室要員や受付・誘導人員の削減を実現してコストメリットを生み出した事例もある。
トラックが予約時間に入場、その時荷物は準備できているか
さらに同社は自動化の一歩先を見据え、独自のWES(倉庫運用管理システム)「LogiPull WES」(ロジプルWES)を開発。バース管理システムと連携し、生産性を上げる。
「入場を予約制にするだけでなく、1台あたりの作業時間を削減しなければ根本的な解決につながりません。国土交通省が制定している2時間以内ルールを念頭に、WESを導入して倉庫内業務全体の効率化、自動化を進める事例も増えています」(西山氏)。バース周りだけではなく、庫内業務やマテハン機器との連携で、これまで分断されてきた庫内業務とバース管理を統合し、さらなる効率化を進めることができる。
自動倉庫との連携例では、入場した車両データを検知し、その車両が積み込む荷物を特定。自動倉庫で当該荷物の出庫ができていなければ、自動倉庫に優先で出庫作業をさせることで無駄な待機時間を削減しているという。さらに自動倉庫からの出庫後は、AGV(無人搬送車)での自動搬送につなげ、出荷商品が整えられた状況で車両のバース接車指示を行うなど、入場から出庫までをシームレスにつなげることができる。自動倉庫、AGVだけではなく、倉庫内を自動化するための各種ソリューションーAGF(無人搬送フォークリフト)、コンベア、ソーターなどを滞ることなく稼働させる要となるのが、LogiPull WESなのである。
カスタマイズ力が自動化、省人化の可能性を拡げる
つまりシーイーシーをベンダーとして選定すれば、バース管理システムとWESを自社のニーズに合わせてワンストップで実現できるため、自動化や省人化の可能性が拡がる。しかし、2024年4月に向けて、導入は間に合うのか。
「LogiPullバース管理システムの標準的な機能からお客様の利用頻度が高い機能(予約・受付・誘導・実績管理)を厳選したパッケージサービス「LogiPull-Lite」(ロジプルライト)であれば、すぐにでも導入いただけます。ご利用いただくなかで課題が見えてくれば、後から機能を上乗せしていく。そういったスモールステップのアプローチができるのがLogiPullです」(西山氏)
これらLogiPullの拡張性・カスタマイズ力を生かした導入事例をダウンロードすることも可能なので、より具体的な運用イメージで検討する材料としてみてはどうだろう。拡張性の高さが認められた最新のLogiPull導入事例として、物流施設だけではなく、大量の航空貨物が搬入される巨大空港において、待機トラックによる渋滞の解消や、業務フローのデジタル化、複数の関連事業者がオペレーションを統一するために共通したシステムを検討した事例もある。
2024年4月に向けて待機問題の解消と省人化を目指す企業の参考になるのではないだろうか。