ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

23年貨物運送業倒産件数は328件、直近10年で最多

2024年1月12日 (金)

調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)が12日発表した、2023年の道路貨物運送業の年間倒産件数は、ここ10年間で最多となる328件(前年比32.2%増)だった。このなかで、原油高や円安に伴う燃料費の高騰など物価高による倒産は同75.3%増の121件、ドライバーなどの人手不足に起因する倒産は2.3倍の41件と大幅に増加した。特に価格転嫁が困難な小規模・零細事業者の倒産が増加しているという。

▲2014〜23年の道路貨物運送業の年間倒産件数(クリックで拡大、出所:東京商工リサーチ)

同社の23年11月の調査によると、トラックドライバーを含む自動車運転従事者の有効求人倍率は2.7倍と、全体の1.2倍を大幅に上回るなど、人手不足の深刻さが際立った。ドライバー不足により機会損失につながり、燃料費などのコスト上昇に対処できない企業も多く、形態別では「破産」が299件(32.8%増)と9割を占めた。民事再生法適用は8件で前年と同数にとどまっていることもあり、業績低迷から経営を立て直せないまま、消滅型の倒産を選択せざるを得ない実態が浮き彫りとなっている。

原因別では「販売不振」が最多の237件(36.2%増)で全体の7割を占めた。「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が35件、「他社倒産の余波」が15件、「事業上の失敗」と「運転資金の欠乏」がともに10件で続いた。

資本金別では「1000万円未満」が238件(63%増)で全体の7割を占め、そのうち「100万円以上500万円未満」は96件、「500万円以上1000万円未満」は86件で、そのほかは100万円未満や個人企業などだった。「1000万円以上5000万円未満」は87件で10.3%減、「5000万円以上1億円未満」が3件で40%減と、中小・零細企業の倒産件数の多さが際立つ結果となった。

負債額別では「1億円未満」が189件(23.5%増)で全体の57.6%を占め、そのうち「1000万円以上5000万円未満」が116件(45%増)、「5000万円以上1億円未満」が59件(28.2%増)。「1億円以上」は139件(46.3%増)だった。

従業員数別では「10人未満」が212件(26.1%増)で最も多く、全体の64.6%となった。そのうち「5人未満」が148件、「5人以上10人未満」は64件。そのほか、「10人以上20人未満」が58件(41.4%増)、「20人以上50人未満」が47件(51.6%増)、「50人以上300人未満」が11件(37.5%増)といずれも増加している。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com