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【年頭所感】M&A再開、海外進出加速[日立物流]

2013年1月1日 (火)

ロジスティクス日立物流の鈴木登夫社長による年頭所感(要旨)は次の通り。


当社グループの2012年度第2四半期連結決算は、売上高2715億円(前年比99%)、営業利益は101億円(前年比86%)といずれも前年実績を下回った。

後半も厳しい景気状況が続くと予想されるが、売上の拡大や経営の合理化に全員が一致団結して取り組むことで、通年売上高5700億円、営業利益258億円の達成を目指す。

4月以降、2015年ビジョン3年目を迎える本年は、次の3つの方針で挑戦していきたい。

■封印していたM&Aを再開
第一には2015年ビジョン達成に向けて力強く前進していく。顧客動向をにらみ、海外新規地域へ戦略的進出を図る。また、昨年はバンテックとのPMI(経営統合)に注力するために封印していたM&Aを今年から再開する。

2015年ビジョン達成のためには売上高で1000億円以上のM&Aが今後必要と考えている。そのためには資金が必要となるので、営業利益率の向上によるキャッシュフローの改善にも鋭意取り組んでいく。

■3PL以外の2事業でもトップ目指す
第二には、当社グループの事業コンセプト「スマートロジスティクス」の更なる進化を図る。

3つのコア事業のうち、3PL事業だけが業界トップで、フォワーディング事業と重量・機工事業はまだ業界トップグループとは言えない。昨年7月にバンテック、日立物流、日立物流シーアンドエア3社のフォワーディング部門が合併して新たに日立物流バンテックフォワーディングが発足した。今後、合併のシナジー効果を発揮して業界トップグループ入りを目指していく。

また、重量・機工事業は機工型3PLの取り組みや中国、アジアへの積極展開などで発展のきっかけを掴んだ。引き続き、グローバルベースでの事業基盤構築を行っていく。

■海外売上比率50%以上への引き上げ必要
第三にはグローバル事業の拡大を加速していく。

当社グループのグローバル事業の全売上高に占める割合は現状27%にすぎない。グローバルカンパニーを目指すには一日も早くこの割合を50%以上にする必要がある。そのためのキーワードは「人財の多様性を活かした経営」。

まず海外会社の経営は、それぞれの地域の事業に精通したナショナルスタッフが中心となって行うようにする。

また、海外4極ごとにそれぞれの地域の特長を活かしたグループ連結経営を徹底する。従来、日系企業に片寄りがちだった営業活動を各地域の現地企業にも展開することで、グローバル事業の急拡大を図る。

さらに、「国内人財の多様化」も本格的に進めていく。昨年は韓国の大学卒業生を一挙に6人採用した。ことしも日本の大学や研究機関で学んだ欧州、アジアの若者を採用する。既に活躍中の中国人スタッフと合わせ、国内人財の多国籍化を進めていく。

そして、グローバルカンパニーの必須課題である女性の活用を拡大していく。

以上の考えを踏まえ、ことしの社長指針を「スマートロジスティクス更なる進化」とし、2015年ビジョンの最終目標である7500億円企業を目指す。