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メルカリ、置き配限定・料金一律配送で再配達削減

2024年3月28日 (木)

サービス・商品日本最大のフリマサービス、メルカリは28日、新たな配送サービスの提供開始を発表した。SBS即配サポート(東京都江東区)と連携し、非対面発送サービス「SMARI」(スマリ)を利用した「スマリボックス」から発送して置き配指定で受け取る「エコメルカリ便」として、東京都(島しょ部除く)、神奈川県、埼玉県、千葉県の一都三県で提供を開始する。発送にかかる手間や資材の無駄を削減し、コンビニのスマリボックスでの発送作業、置き配での受け取りと、発送から受け取りまですべて非対面で完結する、社会や環境にやさしいサービスとして社会貢献も見据える。

新サービス発表会見には、メルカリの執行役SVP of Japan Region兼CEO Marketplaceの山本真人氏、執行役員VP of Business Development/Logisticsの進藤智之氏が登壇。新サービス提供に至る背景が説明された。

まず、山本氏は、同社グループの目標としてサステナブルな循環型社会の実現を掲げ、その基盤となるのが「配送」だと指摘。同社の事業成長によって、日本全国の年間宅配便取扱個数が50億個とされるなか、メルカリの荷物の割合が5%から10%に、コンビニ発送におけるメルカリ発送割合では80%に達していると説明した。今後も大きな成長が見込まれることから、物流業界に与える影響も大きくなったことを意識し、新サービス開発において配送基盤の強化が大きなテーマだったと説明した。2024年問題における物流危機では、運転手の不足が顕在化し、配送の見直しが大きな目標に掲げられており、山本氏は、再配達削減を実現するサービスとしてエコメルカリ便の普及を目指す。

進藤氏は新サービスを、「お得でやさしい」「人にやさしい」「社会にやさしい」サービスと紹介。メルカリでは、商品サイズごとの送料の違いによる梱包の手間や価格の確認などがサービス利用の大きなストレスとなっていたとして、宅配便100サイズまでの一律料金730円を設定。利用頻度の高い60サイズや80サイズを簡単に収納できる100サイズを基準にした一律商品とすることで、商品サイズを測ったり、送料を調べたりする手間なく、出品したアイテムを発送することができるやさしいサービスとする。

▲メルカリ便利用方法略図(クリックで拡大、出所:メルカリ)

また、新サービス利用においては非対面発送と、置き配指定が前提となっていることから、再配達をゼロにすることが可能で、ドライバーにもやさしいエコな配送サービスとして、進藤氏はエコメルカリ便の利用により、配達員の労働時間で年間2万4360時間、CO2排出量で年間69トン相当の削減効果が期待できると説明した。

会見には、新サービスの配送領域を担うSBS即配サポートと、スマリサービスを手がける三菱商事も同席。SBS即配サポートは、即日配達、ラストワンマイル事業者として24年問題に直面する立場として、再配達が、ドライバーの生産性や労働環境の悪化や、CO2排出量の増加などあらゆる問題の原因となっていることを指摘した。今回の配送サービスの仕組みが置き配を前提とした再配達の削減を目指す新しい取り組みとなったことに大きな期待を寄せる。

また、非対面発送サービス、スマリやスマリボックス開発の立場から、三菱商事の食品流通・物流本部の担当者が出席。19年のサービスイン後、スマリボックス導入拠点を増やしており、現在ローソン3000店舗や京王電鉄の14駅に設置されたことで、エコメルカリ便の発送拠点としても機能を発揮する。また、スマリのスキーム自体、ローソンの定期配送便の戻り便のスペースを活用して商品を回収するという、効率化とエコを目指すものであることから、非対面発送サービスの利用拡大で、物流コスト削減、CO2削減への具体的な成果を大きな枠組みで示せる取り組みとなったことが語られた。

今後、エコメルカリ便は、エリアとサイズの拡大を目指すとともに、将来的には自宅から発送できる「置き発送」の仕組み作りまで構築中としている。

また、既存のメルカリの提供サービス「らくらくメルカリ便」「ゆうゆうメルカリ便」についても、配送方法の初期設定を「置き配」として、消費者の意識を高めながら、さらに再配達率削減を推し進める予定。メルカリは、政府が主導する4月からの「再配達削減PR月間」にも協力し、サステナブルな循環型社会の実現を主導する。

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LOGISTICS TODAY編集部
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