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ヤマト運輸、宅配の置き配サービスを大幅拡大

2024年4月8日 (月)

ロジスティクスヤマト運輸は8日、荷物の受け取りの際に「置き配」を選択できるサービスを拡大する、と発表した。社会的認知や顧客ニーズの高まりに対応したもので、5600万人以上が登録している個人向け会員サービス「クロネコメンバーズ」の会員を対象に、6月10日から同社主力の「宅急便」や「宅急便コンパクト」の受け取り時に、選択できるようになる。同社の扱う荷物の8割ほどで選択できるようになるという。

▲置き配の受付からお届け完了通知までの流れ(イメージ)(クリックで拡大、出所:ヤマト運輸)

機能を追加するのは、同社の会員サービスで「お届け予定通知」などが受け取れる無料のクロネコメンバーズ。対象商品は宅急便と薄い荷物などを対象とした宅急便コンパクトで、「クール宅急便」や「宅急便着払い」などは対象から外れる。

1976年から始めた宅急便は、同社の荷物の主力で6割ほどを占めている。年間23億3972万個(2023年度)を取り扱い、宅配便の国内シェア47.5%に達しているという。

今回、置き配を本格導入する背景には、インターネットの普及やライフスタイルの多様化でEC(電子商取引)が拡大することで、個人がより多く荷物を受け取るようになったことがある。とりわけ20年以降は、コロナ禍を契機にした非対面での受け取りニーズの向上などに加え、コロナ禍が明けてからは、「ちょっとした外出時に置き配として受け取りたい」といったニーズが高まりを見せてきたという。

こうした対応策として、同社は既に20年6月から、EC利用者のニーズに特化したEC事業者向けの配送商品「EAZY」(イージー)を発売。主要な機能として、受け取り時に置き配を選べる仕組みの提供に取り組んできた。

現在、同社の扱う年間23億個の宅配便のうち、イージーの取り扱い数は5億個に上るが、そのイージーで置き配利用が高まる傾向が顕著になってきたという。同社によると、イージーの置き配指定率(対象個数比)は20年度の18.4%から、23年度には37.3%と増加し、倍にまで高まっている。また、顧客からサービスを拡大してほしいという声も多く寄せられてきたという。

国土交通省で発表会見を開いた同社サービス商品部の久保田亮部長は「置き配の社会的認知が高まっている」と指摘する。

▲ヤマト運輸の発表会見で説明する久保田亮・サービス商品部長(左)ら

また、紛失などの安全面でも対策を重ねているという。配送時に、実際に置き配した荷物を写真撮影して、顧客にメールなどで送付するほか、置き配する時間の指定などもできるよう機能を追加。荷物が置かれてから顧客が自宅に戻って確認できるまでの時間差を最小にできる配慮をした。

サービスと24年問題との関連について、同社は、懸念されている再配達率などを公表していないが、「結果として、一定程度は寄与することができるだろう」(久保田部長)と説明するにとどめた。

具体的に置き配が指定できる場所は、玄関ドア前や宅配ボックス、ガスメーターボックス、物置、車庫、自転車のかごなど。送信されてきた「お届け予定通知」から、置き配の依頼を選択していくだけでサービスが受けられる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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