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宇部興産、堺工場でナイロン原料の生産を停止

2013年2月5日 (火)

アパレル宇部興産は5日、堺工場でナイロンの原料となるカプロラクタムの生産を来年3月いっぱいで停止すると発表した。

カプロラクタムは、繊維や樹脂用途として幅広く利用されるナイロンの原料で、宇部興産は宇部、堺、スペイン、タイの4工場によるグローバル供給体制を構築してきたが、需要減退と中国などで新規メーカーの参入や既存メーカーの増設が相次いだため、市況が大きく崩れ、原料価格高騰もあり、事業の採算が急速に悪化した。

堺工場のカプロラクタム製造設備は、ほかの3工場と比べて製造コストが高く競争力に劣るため、収益改善策を検討、実施してきたが、「昨今の事業環境の変化はこれら改善策によって対応可能なレベルを超えており、将来にわたって採算改善が見込みがたい」と判断した。

設備停止に伴い、関連する同工場内の誘導品などの製造設備も停止し、廃棄する。

今後、堺工場はリチウムイオン電池用の材料など、付加価値の高い機能材を中心とする生産拠点として強化を図る。停止する設備で生産している製品は、同社のほかの製造拠点から供給するほか、代替調達先確保にも取り組む。