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宇部興産、タイでカプロラクタム・ナイロンの需要拡大に対応

2010年10月4日 (月)

アパレルウベケミカルズアジア社のカプロラクタム製造設備宇部興産は、中国などアジア地区でのカプロラクタム・ナイロンの需要拡大に対応するため、タイの子会社であるウベケミカルズアジア社でカプロラクタム・ナイロンの生産能力を増強する。

 

総額30億円を投じ、年産2万トン分の能力を増強する方針で、2011年12月に完工し、12年1月から商業運転を開始する。この増強により、ウベケミカルズアジア社のカプロラクタム生産能力は年産13万トンとなる。

 

ウベケミカルズアジア社では、カプロラクタムを自家消費するナイロン6新設備の稼動開始に伴い、外販量が減少するため、今回の能力増強でカプロラクタムの供給不足へ対応するとともに、外販量減少をカバーする。

 

ナイロン6は中国をはじめとするアジア市場で順調な伸びを示しており、樹脂(エンジニアリングプラスチック)用・繊維用ともに旺盛な需要が続いている。このため、同地域では昨年来、ナイロン6の大型重合プラントが相次いで立ち上がり、カプロラクタムの供給が足りない状況になっていた。

 

宇部興産はこのほか、インテークマニホールドなど自動車部品向けの需要が好調なナイロンコンパウンドも、年産5000トンの能力増強を実施する。11年12月に完工、12年1月から商業運転を開始する計画。

 

この増強により、ウベケミカルズアジア社のナイロンコンパウンド生産能力は年産1.1万トンとなる。ナイロンコンパウンドは二輪・四輪車向けが大半であり、今後、特に自動車生産台数の伸びが期待される中国・インド・東南アジア地区での需要伸長を期待している。タイはこれらの地域と自由貿易協定(FTA)を締結しており、宇部興産はウベケミカルズアジア社を拠点としてこれら地域の旺盛な需要に対応する。

 

また、建設を進めていたナイロン6樹脂の増設新設備(年産5万トン)を10月から段階的に商業生産を開始する。この設備は、マプタプット工業団地、周辺地域(ラヨーン県)で起こされた行政訴訟に伴い一時停止対象となっていたが、今回、タイ中央行政裁判所が事業再開を認めたことを受け、当初計画から1年遅れての操業開始となった。