調査・データ日本産業車両協会は9日、2023年の無人搬送車(AGV)システム納入実績のまとめを公表した。今月25日配信予定の「産業車両」9月号に詳細な分析と荒木勉・上智大学名誉教授による解説記事。
調査対象は、AGVシステムメーカー26社。まとめによると、23年1年間の国内向け、輸出向けを合わせた無人搬送車システム納入件数は800システム(対前年比2.6%減)で2年ぶりの減少となったものの、納入台数は3105台(同27.2%増)と大幅に増加した。納入システム件数では、輸出向けが4年連続で減少し、国内向けもほぼ横ばいにとどまったものの、納入台数では国内向け、海外向けともに増加した。
納入件数を車両タイプ別に見ると、「無人搬送車(台車)」が41.9%(前年実績46.7%)、「無人けん引車」が50.4%(同46.4%)、「無人フォークリフト」が7.6%(同6.9%)となった。「台車」の割合が4.8ポイント下がり、「けん引車」では4.0ポイント上昇、「フォークリフト」も0.7ポイント増え、3年ぶりの上昇となった。
また、業種別にみると、「自動車・同付属品製造業」向けが31.0%(同46.7%)と最も多かったものの、割合は15.7ポイント下げた。一方、「一般機械器具製造業」向けが24.6%(同15.1%)と9.5ポイント増え、3年連続で上昇。「弱電機械器具製造業」向け5.6%(同5.4%)、「化学・医薬品製造業」向け5.3%(同5.0%)も上昇したが、「食料品製造業」は2.8%(同3.5%)となり割合を下げた。
非製造業では「運輸・倉庫業」向けは3.6%(同2.6%)、「卸・小売業」向けも4.6%(同2.2%)だった。
車両誘導方式別の割合は、経路誘導式の「磁気式」が77.9%(同82.3%)と依然として圧倒的に高い。しかし、自律移動式のうち「SLAM式」が10.4%(同7.8%)、「定点自己位置認識式」が6.6%(4.6%)と、年々割合を高めている。「レーザー測距式」は3.0%(4.6%)に下がった。
納入件数のうち国内向けは91.1%(同89.0%)と4年連続で上昇し、海外向けは8.9%(同11.0%)と1割を切った。1システム当たりの台数では、国内向けは3.8台(同2.9台)、海外向けは4.6台(同3.5台)と、海外向けの方が多い傾向にある。
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