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現場ごとの最適解求める、野村不動産テクラム

2024年9月12日 (木)

イベント物流不動産開発大手の野村不動産は10日から13日にかけて開催されている「国際物流展」に出展。ブースでは野村不動産が展開する「Landport(ランドポート)」シリーズのうち、2025年10月に完成するLandport東海大府(愛知県 東海市・大府市)と25年3月に完成予定のLandport横浜杉田(神奈川県横浜市)のパネル・模型が展示されていたほか、企業間共創プログラム「Techrum(テクラム)」が紹介された。

テクラムは野村不動産が主体となり、さまざまな物流課題解決のために企業同士をつなぐプログラム。物流のメーカーは数が多く、提供するソリューションも多岐にわたる。テクラムはそんなメーカーをまとめ、組み合わせることで、荷主ごとに異なるニーズに応えていくという。

同社のブースではEC(電子商取引)の商品出荷までの流れを、テクラムに参画する企業のソリューションを組み合わせて再現。同社物流事業部事業企画課の朝倉南氏によると「企業同士をつなぎ合わせることがTechrumの機能。商品を単体で置いてもなかなか良さが伝わらない部分もあるので、前後の工程も含めて現場をトータルプロデュースできるという部分を展示で表現した」のだという。

▲自動段ボールカッター

EC庫内を模した展示の庫内物流の上流部に、トーモク(東京都千代田区)の開梱機「ABOT(アボット)」が展示されており、コンベアーに荷物を流すと、自動で段ボールの上部をカットするところを実演。機械には段ボールの厚みがインプットされており、最適な深さに刃を入れるため、中の荷物が傷つくことはない。また、機器に搭載されたカメラが箱の大きさを自動で認識するため、事前のサイズ登録は不要だ。EC倉庫の入荷で刃物を使った作業を自動化できるというのは、作業者の負担を軽減するとともに、安全性を高めるソリューションといえる。

▲高低差を利用して荷物を運ぶ省電力コンベヤー

その後、ピック用の昇降機が荷物をピックし、自動仕分けシステムで仕分ける。仕分けした荷物を乗せるコンベアはSUS(静岡県静岡市)が開発した「からくりモジュール」。庫内の省電力化を企図したもので、電気を一切使わない。高低差を利用するなどして荷物を目的の場所まで運ぶ。

荷物の搬送には全自動の台車、SUSの「Thouzer (サウザー)」が行う。サウザーはあらかじめ設定されたルートを自動で走行するが、ルート設定は地面に市販のテープを貼るだけ。特殊な機材なしに、運用によってルートを変更するのも容易で、導入のハードルが低いソリューションといえる。また、サウザーを作業者に随行させることも可能で、1台のサウザーを随行させつつ、別の台車を作業者が押せば従来の2倍の荷物を一度に運ぶことができる。

荷主や3PLが自動化ソリューションを検討するに当たって、複数の機器をそれぞれのベンダーに問い合わせるのは非常に煩瑣であるうえ、多様なベンダーの機器の組み合わせについては、個々のベンダーでは対応できない。現在テクラムに参画している企業はこうした機器のベンダー以外にもバース管理やWMS(倉庫管理システム)など90社以上。それぞれの倉庫の現場ごとの最適解を出すためには、こうしたワンストップで多様なソリューションを試せる結節点が必要だ。野村のテクラムはそうした存在となることを目指すという。

24年ならではの出会い、つながりの場が物流展だ

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