調査・データ日本ロジスティクスシステム協会(JILS)は17日、昨年度の物流システム機器生産出荷統計調査の結果を公表した。2023年度の物流システム機器の総売上額は22年度の6139億円から3.1%増えて6330億円となり、2年連続で総売り上げ6000億円を超え、過去最高水準となった。
調査結果によると、売上件数も22年度の11万429件から11万8357件へと増加した。一時の半導体不足が解消され、出荷が進みつつあるとみられる。
業種別に見ると、「電機・精密機器」への売り上げの比率が依然として高く、「輸送機器・部品」や「卸・小売」への売り上げも前年度に比べ、大きく比率が伸びている。
機種別にみると、自動倉庫は全体の売上金額では、前年度の1391億3400万円から 1320億円へと5.1%減少した。内訳では、バケット用自動倉庫(ユニット式)の売り上げ額が、820億4400万円から863億8200万円へと5.3%増加。クリーンルーム向けも338億4100万円から382億600万円へと12.9%増加する結果となった。自動倉庫全体の基数(パレット数)は、255万2000パレットから173万1000パレットへと32.2%減少した。
台車系は1137億3800万円から1659億3700万円と45.9%増。基数については、1万1429台から1万1499台へと0.6%の微増にとどまった。内訳では、天井走行台車が932億6200万円から1468億6900万円へと大幅に増加(57.5%)。無軌道台車システムは121億9200万円から133億6300万円へ9.6%の増となった。有軌道台車システムは82億8400万円から57億500万円へ31.1%減少した。
コンベヤー系の売上高は、17年度以降増加の傾向にあったが、23年度は1611億2400万円から1467億6300万円へと8.9%減少した。内訳はケース搬送用コンベヤーが1104億1600万円から873億4000万円へ20.9%減少。一方で、ハンガー式コンベヤーは64億7600万円から131億1100万円へほぼ倍増し、パレット搬送用コンベヤーは442億3200万円から463億1300万円へと4.7%増加した。
仕分け・ピッキング系は20年度に大きく売り上げが減少した後、増加傾向にあったが、23年度は297億1300万円と、前年度の398億6300万円から再び減少(25.5%)した。売上額の半分以上は仕分機が占めているが、仕分機の売上金額は302億9000万円から198億2000万円へと34.6%減少。基数も3192台から2764台へと13.4%減少した。デジタルピッキング表示器は、84億5100万円から89億8200万円へと6.3%増加している。
回転棚・移動棚の売上高は、19年度に大きく増加した後、減少に転じた。22年度は193億3300万円と増加したが、23年度は192億1700万円へとやや減少した。内訳は、売り上げ額の85.7%を移動棚が占めている。移動棚は電動式が124億2200万円から132億9300万円へと7.0%増加、手動式は36億2500万円から31億8200万円へと12.2%減少した。垂直式回転棚は9億8400万円から9億3700万円へと4.8%減少し、水平式回転棚も23億200万円から18億500万円へと21.6%減少した。
棚の売上金額は326億7700万円で、22年度の336億2800万円に比べ、2.8%減少した。訳は重量棚が112億8900円から109億1900万円に3.3%減少、中軽量棚は218億2100万円から215億5900万円に1.2%減少、流動棚についても5億1800万円から1億9900万円へと61.6%の大幅減少となった。
パレタイザ/デパレタイザは、18年度に過去最高水準の売り上げを記録した以降、売り上げの減少が続いている。23年度も前年度の114億7100万円から85億3400万円へと25.6%減少したが、基数は890台から980台へと1割増加した。
垂直搬送機は、前年度の144億1000万円から171億1800万円へと18.8%増加した。内訳はパレット搬送用垂直搬送機が129億3100万円から145億7000万円へと12.7%増加し、ケース・ピース搬送用垂直搬送機は14億7900万円から25億4800万円へと大幅に増加し、伸び幅は72.3%となった。業種別に見ると、ケース・ピース搬送用垂直搬送機の出荷先は、「電気・精密機械」と「卸・小売」で79.2%を占めている。パレット搬送用垂直搬送機は倉庫・運輸が38.3%を占める。
また、海外向けの売り上げ額は、22年度の1422億8100万円から1832億900万円へと28.8%増加した。クリーンルーム向けの売り上げが1177億4100万円から1597億7500万円へと35.7%増えた一方で、クリーンルーム以外の売り上げは、250億3300万円から234億3400万円へと6.4%減少した。
海外向けの売り上げでは、台車系と自動倉庫、コンベヤー系で全体の88.0%を占める。台車系は725億4200万円から1168億600万円へと61.0%増、自動倉庫は364億4600万円から306億6400万円へと15.9%減、コンベヤー系は99億8700万円から137億4900万円に37.7%増加した。
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