モンゴルでドローンが輸血用血液を搬送、2人救命

メディカルドローンの研究・開発を手掛けるスタートアップ、エアロネクスト（東京都渋谷区）は8日、モンゴルの国立輸血センターとモンゴル国立医科大学付属モンゴル日本病院の間でドローンによる緊急の血液輸送が行われ、2人の命が救われたと発表した。

同社によると、9月16日に同病院から手術用の血液が足りないとの研究連絡を受け、物流専用ドローンAirTruckを使って、4.75キロ離れた輸血センターから約13分で輸血用血液を配送した。

▲輸血用血液をのせ病院屋上に着陸した物流専用ドローンAirTruck（出所：エアロネクスト）

モンゴルでは慢性的な渋滞や脆弱な道路インフラが重大な社会問題となっており、医療分野の物資輸送の大きな課題となっている。このため、昨年11月にエアロネクストと、モンゴルの投資会社Newcom Groupが、輸血センターと同病院の間でドローンの自動航行を成功させるなど、ドローンを使った医療物資の配送に取り組んでいる。

ドローンを運航するのはNewcom GroupのMSDDで、エアロネクストの子会社がMSDDの運航スタッフを日本で遠隔パイロットとして育成し、現地でもトレーニングや運航態勢の確認などを行ってきた。

その結果、MSDDは今年6月にモンゴル国民間航空庁からモンゴル国内で初となるドローンの商用飛行ライセンスを取得。8月から国立輸血センターから市内の3つの病院へ血液を運ぶドローン配送がスタートした。

今回のような緊急対応だけでなく、今まで救急車両などを利用して行われていた輸血用血液の配送の一部をドローンに振り替えるなど定期的な運用も行っており、既に8月から9月末まで50回の運航を実施している。

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LOGISTICS TODAY編集部
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