荷主米物流大手のCHロビンソンは3日、2026年の食品・飲料物流に関する4つの重点戦略を公開した。品質への要求が高まるなかで規制は厳しくなり、国際輸送ルートは不安定で、利益率の改善も見通しにくい。こうした圧力が同時にかかる状況にどう対応するか、荷主向けに実践的な指針を示した内容だ。ドライバー不足、コスト上昇、積載率の低下といった課題は日本の食品物流にも共通しており、米国最大級の3PLがどこに活路を見いだそうとしているのかは参考になる。(編集長・赤澤裕介)

(出所:CHロビンソン)
可視化・混載・車両運用・温度帯管理の4本柱
第1の戦略は、商品単位でのリアルタイム可視化だ。個々の商品(SKU)やロットごとに、温度管理の状況、在庫の動き、廃棄の傾向、需要予測の精度、実際の総コストを一元的に把握する。これにより、売れ行きの悪い包装サイズの見直しや、生産・在庫・配送の計画精度向上につなげる。同社はこうした取り組みで10-25%のコスト削減が見込めるとしている。
背景にあるのは、米国で食品安全強化法(FSMA)204条の適用が本格化し、食品のトレーサビリティー(生産から消費までの追跡)が厳しく求められるようになったことだ。リアルタイムデータに基づく管理体制は、コスト削減だけでなく、リコール対応やブランド保護の面でも不可欠になりつつあると同社は指摘する。
第2の戦略は、混載の高度化だ。トラックの積載率の低さ、運送入札の不成立、スポット運賃(臨時の輸送料金)の高騰が利益を削るなか、複数の荷主や小口貨物を組み合わせて1台あたりの積載率を引き上げる。1個あたりの輸送コスト削減、荷扱い回数の低減、リードタイムの短縮が期待できる。紅海の迂回やパナマ運河の通航制限、季節的な冷蔵車両不足が続く状況では、輸送計画の予測可能性を高められる点も大きい。国土交通省が共同輸送や中継輸送を推進する日本でも、積載率向上は最重要テーマの一つであり、混載の精度を上げるアプローチは方向性が重なる。
第3の戦略は、ドロップトレーラーの柔軟な活用だ。ドロップトレーラーとは、荷主の施設にトレーラーを事前に配置し、荷積み・荷降ろしとドライバーの運行スケジュールを切り離す方式を指す。米国では人手不足や倉庫の稼働時間のばらつきに加え、小売業者がOTIF(On Time In Full=指定の時間に指定の数量を届ける納品基準)を厳格に求めるようになっている。ドックでの小さな遅延が荷受け拒否やペナルティに直結しやすい環境で、荷積みとドライバーの到着を分離することにより、施設の混雑緩和や待機時間の削減、繁忙期の安定運行を実現できるとする。
第4の戦略は、複数の温度帯を一つのネットワークで管理する仕組みの構築だ。生鮮、冷凍、冷蔵、常温の商品が同じ配送網を流れる場面が増え、温度帯が増えるほど品質劣化や損害のリスクも膨らむ。異なる温度帯の貨物を単一の最適化されたネットワークで運ぶことで、品ぞろえの拡大とコスト抑制を両立する考え方だ。FSMA 204条によるトレーサビリティーの要求が強まるなか、温度管理の精度を落とさずに商品数を増やすには、こうしたネットワーク設計が前提になると同社はみている。
CHロビンソンはこれら4つを個別の施策ではなく、輸送・倉庫・データを一体で組み直す統合的な取り組みとして位置づけている。混乱が日常化した市場で信頼性を保つには、戦略の組み合わせが欠かせないとしている。
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