イベントフジトランスポート(奈良県奈良市)は24日、ポートメッセなごやで開催された「第4回名古屋スマート物流EXPO」で、マーケティング部長の川上泰生氏による講演「失敗から学んだ新時代の採用戦略」を行い、SNSの積極的な活用や応募時の対応方法などトラックドライバーの採用ノウハウを披露した。
中長距離の幹線輸送を中心とした事業を展開する同社には現在、単体で2600人以上、グループ全体では3200人以上のドライバーが在籍する。24年問題などを背景に、トラック運送業界はドライバー確保に苦戦しているなか、採用は好調だという。川上氏は「運送業界に限らず、これからはすべての業界で人の取り合いが起こる」と指摘。

▲フジトランスポートの川上泰生氏
さらに「一部で自動化や無人化が進んでいる業界もあるが、自動運転の技術はまだ発展途上。ドライバーがすぐに機械に置き換わることはない」とし、運送会社にとっての人材確保の重要性を強調した。
その上で、採用側に求められる対応として「応募があったら、すぐに連絡すること」(川上氏)を挙げた。トラックドライバーは”リスクフリー”な職種で、退職金を出さない運送会社が少なくないため、勤続年数や勤務先にこだわらない。転職に対する心理的ハードルが低いこともあり、「応募後、最初に連絡があり、最初に面接をセッティングしてくれたところに就職する」(川上氏)傾向がある。「例えば、金曜日の夕方連絡があった場合、翌週の月曜日に返事を出す会社もある。しかし、それでは遅く十中八九断られる」(川上氏)。ドライバー採用はスピード命だという。
新聞や雑誌、WEBなど、各種求人媒体のほか、SNSの活用も呼びかける。「X(旧Twitter)は速報性に優れ、tikitokは若者への訴求力が高い」(川上氏)。また、企業イメージを詳細に伝えたい場合はYouTubeが適しているとのこと。その際は画像や動画を使って職場の様子をダイレクトに伝えることがポイントだという。「現代の求職者は会社の雰囲気をリアルにイメージできるもの、つまり実際に働いている人の様子を見たがっている」(川上氏)からだ。
川上氏は、良い人材を確保するには経営者、採用担当者のマインドも大切だと指摘。「採用はコストではなく、投資。”お金を産んでくれる人に投資する”という視点を持つだけでも違う」(川上氏)。さらに「自社の魅力を言葉にできない人のところには、そもそも人が集まらない」(川上氏)とし、ドライバーを投資対象として見ること、そして自社の魅力を発掘することの大切さを強調した。
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