M&Aアパレル大手のワールド(神戸市中央区)は2日、傘下の投資会社W&Dインベストメントデザイン(東京都港区)を通じて、カジュアルウェアの小売販売を手掛けるライトオン(茨城県つくば市)に対するTOB(株式公開買い付け)を開始すると発表した。2017年以降、赤字経営が続くライトオンへの友好的TOBで、同社は上場を維持したままワールドの子会社となり、再建を目指す。
W&Dインベストメントデザインはワールドと日本政策投資銀行が共同出資する投資会社で、ファッションに特化した投資を行っている。
TOBの買い付け価格は1株あたり110円で、買い付けの下限はライトオンの発行済株式の51.93%にあたる1842万7676株となっている。買い付けは今月3日から開始され、1月6日まで。
TOBを前にライトオンは創業家の資産管理会社を引受人とする第三者割当増資を実施しており、現在、創業家は資産管理会社を含め、発行済み全株式の51.93%を保有している、創業家はTOBに応じて、所有する全株式を売却する。
ライトオンは、ジーンズカジュアルショップとして1980年に創業し、日本有数のジーンズショップとして業績を拡大してきたが、ユニクロやGAPなどSPA(製造小売り)企業の台頭で業績が悪化。コロナ前の2019年8月期から赤字決算が続いている。今年8月期の通期実績では売上高388億800万円と前期比17.3%減少し、純損失は、121億4200万円に膨れ上がっていた。
こうしたことから、同社は今年2月下旬からワールドに再建への支援を要請していた。
また、TOBに先立ち創業家の藤原祐介社長は退任し、11月29日付でワールド常務執行役員の大峯伊索氏が社長に就任した。
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