M&A伊藤忠商事は10日、中国で展開する北京伊藤忠華糖綜合加工(BIC)が、浙江省寧波地区の寧波市宝敏瑞貿易と寧波新乍浦経貿2社の株式を取得し、連結子会社化したと発表した。
宝敏瑞と新乍浦は、同地区で最大級の日用雑貨品卸大手としてP&Gやユニリーバなどの大手欧米系メーカーの化粧品、トイレタリー商品や衛生用品などを寧波地区の小売業者に販売しており、2社合わせて3000の販売先を持っている。
BICは、今回の株式取得によって、資生堂やユニチャームなどの大手日系メーカー、ロレアルやニベアなどの大手欧米系メーカーのこれまでの取り扱いに加え、新たにP&Gやユニリーバの取扱いを開始することで、有力な商品群の拡充を図る。
また、消費の旺盛な杭州地区と寧波地区での事業展開を進め、主要都市で販売網を拡充する狙い。
今回の出資に伴い、伊藤忠商事の日用雑貨品分野の2013年度売上見通しは21億元(343億円)と中国最大となる見込み。今後は華南・内陸地区での取り組みも強化し、日用品雑貨卸トップの地位を強固にしつつ、15年には35億元(572億円)の取扱高を目指す。
中国での化粧品・日用品マーケットは直近3年間平均でも大きく成長しており、市場規模は1350億元(2兆2060億円)に達している。伊藤忠商事はBICを通じ、今後も成長が見込まれる中国の日用品・化粧品などの取扱いを強化し、総合卸としての機能の拡大を目指す。