調査・データ流通経済研究所(東京都千代田区)は24日、宮崎から東京へ農産物を輸送するトラックの戻り便で、東京や大阪の日用雑貨を九州に輸送する共同物流の実証実験を実施すると発表した。途中、フェリー輸送によるモーダルシフトも組み合わせ、ドライバーの労働時間の軽減や輸送の効率化を図る。
実証実験は2月2日から8日にかけて実施。宮崎県経済農業協同組合連合会や小林製薬、ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングが荷主となり、宮崎配送や宮崎カーフェリー、八代丸善運輸が輸送を担当する。同研究所は、農産物の出荷情報と日用雑貨の物流情報を組み合わせ、農産物と加工食品・日用雑貨などの共同物流をマッチングする技術の開発に取り組んでおり、実証実験で有効性を検証する。
実証実験では宮崎県産の野菜などを宮崎港から神戸港までフェリーで輸送した後、トラックで東京まで輸送。これまで荷物の確保が難しかった戻り便のトラックに、東京と大阪で日用雑貨を積み込み、神戸港から宮崎港まで荷物を輸送する。
日用雑貨は鹿児島や宮崎の県内各地に配送する予定で、交通の便の良い宮崎県えびの市に中継拠点を設ける。今後、福岡県方面への輸送ルートの拡大も検討し、中継地点への全温度帯倉庫や危険物対応倉庫の併設も進める。
同研究所によると、九州から本州への農産物の荷量は確保されているものの、本州から九州への戻り荷の確保が課題で、本州からの日用雑貨の物流も福岡県を経由する1本の経路に依存する状態が続いている。特に南九州から福岡県への荷物の確保が難しく、運賃収入も安定しない。
同研究所は「今回の実証実験を機に、九州全体の物流ルートの多元化を進め、南九州への安定的な物資供給を支える取組みを進めていく」などとしている。
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