サービス・商品日清製粉グループの日清製粉ウェルナ(東京都千代田区)とAI(人工知能)システムの開発などを手掛けるスタートアップ、グリッド(港区)は4日、AIを使った「冷凍食品の需給管理自動化システム」を共同開発し、昨年10月から運用を開始したと発表した。システムの導入によって、作業の効率化や平準化が図られ、より安定した製品供給が可能になった。
日清製粉ウェルナの工場では、受注や出荷、在庫などの情報をもとに計画的に冷凍食品を生産し、製品は各地の倉庫を経由して店舗に納品される。この際、需要や各倉庫の在庫の状況に応じて、倉庫から別の倉庫へ製品を転送することもある。
同社では、冷凍食品の需給管理と配送に関する各計画の立案を専門の担当者が行っていたが、計画予測の組み合わせは1800パターンあり、担当者の負担軽減や作業の平準化が課題だった。
両社が開発したシステムでは、AIが過去の出荷実績と受注実績から月次の販売数量の着地見込表を作成し、見込表と現在の在庫数・工場の稼働スケジュールを突き合せて需給計画を策定する。
さらに、各倉庫への配車依頼台数を決定する配車計画や、倉庫間の在庫移動数を調整する在庫転送計画もAIが策定。必要な配車台数は在庫状況に応じて随時更新され、どの製品を、どの倉庫からどの倉庫へ、何ケース送るかを自動計算する。
こうした計画策定作業は、これまで3日程度かかっていたが、システムの導入で1日程度で策定できるようになった。また、日々の在庫転送明細作成時間も2時間から45分に短縮され、合計で月間50時間程度の業務時間削減が実現した。
また、システムによって立案された計画は、担当者が使い慣れた形式で出力され、日々の状況変化に応じて担当者自身で書き換えることもできる。意図的に人間の介在余地を残し、急な需要の変動などイレギュラーな事態にも柔軟に対応できるようにした。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com