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首都圏から地方への転出、363社で過去最多

2025年2月17日 (月)

調査・データ帝国データバンク(TDB、東京都港区)は17日、昨年1年間に首都圏から地方へ本社を移転した企業は過去最多の363社だったとする調査結果を公表した。転入は296社で、企業の間で「脱首都圏」の傾向が強まっている。

同社は、保有する企業データをもとに2024年に首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)と地方の間での本社移転が判明した企業について分析を行った。

調査結果によると、昨年1年間に首都圏から地方へ本社を移転した企業は23年の347社に比べて16社、4.6%の増加で、1990年以降で最多となった。300社を超えるのは4年連続となる。一方、地方から首都圏への移転は296社で、昨年の310社に比べて14社、4.5%の減少となり、2年ぶりに300社を下回った。この結果、首都圏では67社の転出超過となり、前年の37社から30社、81.1%増と大幅に増加。4年連続での転出超過となった。

移転先は大阪府の51社が最も多く、静岡県の34社、兵庫県の21社なども多かった。首都圏にアクセスしやすい地域への移転が目立ち、北陸新幹線開通でアクセスがよくなった北陸では富山県6社、石川県5社と過去最多となった。

首都圏から地方へ転出した企業の業種をみると、「サービス業」が151社で最も多く、「卸売業」の59社が続いた。サービス業の内訳を見ると、最も多いのは「経営コンサルタント業」の22社で、ソフトウエア開発やベンダー、先端技術産業を含む「受託開発ソフトウェア業」18社、「パッケージソフトウェア業」6社などIT産業も多かった。

首都圏から転出した企業の業績動向をみると、前年から増収となった企業の割合は37.8%で、前年の35.9%を上回った。コロナ禍当初は、業績が急変したことで、オフィス賃料などランニングコストの高い首都圏から地方へと移転する動きが急増したものの、最近は成長を続ける企業の地方移転が増加傾向にあるという。

同社は「ウェブ会議を活用したビジネススタイルやリモートワークが定着した企業では、BCP対策による拠点の分散化や、地方創生に貢献する企業ブランドイメージの向上、従業員のワークライフバランス向上といった地方移転のメリットに対する理解が浸透した可能性がある」と指摘。政府による地方創生に向けた議論が加速するなか、首都圏からの転出超過トレンドが続く可能性があるとしている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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