調査・データANAグループの航空物流会社、ANA Cargoは20日、輸送品質の向上やサービスの改善に向けた取り組み事例を公開した。
同社では、荷物の預かりや積み込み、荷下ろしなどの作業(ハンドリング)の品質を向上するため、損傷・紛失の発生割合や、貨物引き渡し時間内に個数確認を終えた貨物の割合などを算出し、空港ごとのパフォーマンスを毎月測定。その結果をもとに品質向上を目的としたハンドリング改善を実施している。
また、国際線就航空港では、貨物スタッフが年に1度、マニュアルに沿った貨物ハンドリングができているかを自主点検する「上屋健康診断」を実施。診断結果をさらなる品質向上につなげている。
ハンドリング品質を向上させるノウハウの伝承にも力を入れており、貨物ハンドリングの豊富な経験と高い知識を有するハンドラーを「匠」と呼び、匠がスキルや取り組みを伝えることで、部門全体の品質の向上を図っている。「匠通信」という社内通信を発行したりビデオ教材を作成したりして、最新のハンドリングスキルや知識を伝える取り組みも行っている。
貨物の特徴に合わせた工夫も行っており、自動車輸送では、貨物室に確実に固定するためタイヤのホイールにベルトを巻き付ける際、ホイールを傷つけないよう専用のカバーを装着している。
錦鯉など比較的大きなサイズの観賞魚を輸送するときは、魚の向きが航空機の進行方向に対して90度となるように水槽などを積み込み固定する。これによって、輸送中の揺れや振動などから観賞魚のコンディションを守り、良好な状態で送り届けられるようにしている。
こうした工夫や配慮は、同社スタッフだけでなく委託先のスタッフと共有できるよう「ダメージ防止勉強会」を開催。過去のケースも取り上げながら、貨物の取り扱いで気を付けなければならないポイントを議論し、スタッフ全員が高い品質知識レベルで業務に従事できる環境を作っている。
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