
▲参加者記念撮影

▲グループディスカッションの様子
ロジスティクス運送業向けシステム開発のアセンドは7日、第2回運送業DX勉強会を都内で開催した。およそ50社の運送事業者が参加し、運送業のDXについての情報を収集すると同時に、それぞれの事情を踏まえた取り組みについて討論した。
第一部のパネルディスカッションでは東京・大田市場を拠点に関東圏で青果物の輸配送を展開する芳誠流通から常務取締役管理部長の富田剛氏とDX戦略推進担当課長の柴田幸太郎氏が登壇。同社のDX事例を紹介した。
芳誠流通ではDX導入に着手。各種業務を効率化するとともに、業務の属人化の解消を目指した。DX導入以前には壁一面に8枚のホワイトボードを設置し、配車マンがマグネットを移動させて配車。さらにそれをエクセルの売り上げ表に転記するというフローで業務が行われていたが、配車システムを導入することで、配車表と売上表が連動して製作されるようになったという。これにより、それまではベテラン職員しかできなかった配車業務をほかの職員が受け持つなど、業務の流動化も図ることができた。
同社ではいくつもの業務を「無くす」事をテーマにDX化を推進。上記の事例では効率的ではない配車板を無くすことが目標であったが、そのほかにも「終了コールを無くす」ことも目標の1つだった。同社オフィスでは朝の7-9時には配送終了報告の電話が次々にかかってくるのが常態となっていたが、リアルタイム動態管理を導入することで自社配送分の終了報告をしなくてもない体制を構築。これによりバックオフィスの業務ストレスの軽減にもつながったという。
さらに、デジタコを導入することでドライバーの事務作業量を低減。デジタコへの実績入力負担が増えるものの、終了報告と手書き日報が不要となることで、運行後の作業負担を減らすことができたという。
そのほかにも勤怠管理システムやPC版アルコール検知器の導入、配車システムの独自開発などを行い、一定の成果は得たものの、コストが高いという課題があった。

▲芳清流通によるDX導入事例紹介
これらを背景に、24年にはコストを抑えつつ、業務にあった、拡張性のあるシステムの導入に着手。また、実績データを分析活用し、営業、管理の業務効率化を視野に入れたシステムを模索した。システムの刷新によってアセンドの配車システム「ロジックス」が選定されたが、芳清流通によるとシステムを導入することイコールDX化ではなく、効率的なシステムの導入と同時に、新システムによって得られるデータの分析と活用こそがDXなのだという。実績データを使って業務改善や運賃交渉をやりきってこそ、DX化が成功したといえるというのが同社の見解だ。
第2部では参加者が8つのグループに分かれてグループディスカッションを行った。それぞれ異なる背景を持った事業者同士が、自社の課題や取り組みについて語り合った。

▲グループディスカッションで参加者の意見に耳を傾ける日下瑞樹氏
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