調査・データ石油化学工業協会は21日、2026年4月の石油化学製品の生産・出荷実績を公表した。2月末から続くホルムズ海峡の実質封鎖を受け、会員各社は国内石油精製からのナフサ調達継続、中東以外からの調達拡大、製品在庫の活用によって供給維持を図っている。4月はナフサクラッカーなどの定期修理が集中したことに加え、中東情勢の変化を受けた需要の先取りもあり、生産量は前年同月を下回った。
エチレン生産は28万3500トンで、前月比3.6%増となった一方、前年同月比では37.1%減少した。稼働プラントの実質稼働率は67.3%で、前年同月の78.6%を大きく下回った。定修プラントは4社4プラントで、前年同月は定修がなかったことから、前年との差が大きく出た。
主要樹脂では、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)が前月比で2桁増となり、3月からの生産回復が見られた。ただ、前年同月比ではLDPE、HDPE、PP、ポリスチレン(PS)の4樹脂すべてがマイナスとなった。国内出荷は、3月に原料情勢の先高感から前倒し需要が出た反動もあり、4樹脂とも前月比で減少した。包装材分野でも、LDPE、HDPE、PP、PSのいずれも前年を下回った。
一方で、包材以外では一部に底堅い動きもあった。LDPEは電線被覆分野、HDPEは中空成形、射出成形、パイプ分野、PPは射出成形の工業部品関係やフラットヤーン分野で前年を上回った。PSも電機・工業用、食品容器などに使われる発泡シート分野でプラスとなった。輸出は原料情勢の変化を受けた域内需要側の買い控えや、国内向け出荷との兼ね合いから、4樹脂すべてで前月比、前年比ともに減少した。
在庫面では、LDPE、HDPE、PP、PSの在庫量はいずれも前月から減少した。ただ、主要製品であるポリエチレンやPPは国内需要の3か月以上の在庫水準を維持しており、同協会は直ちに供給困難となる状況ではないとの見方を示した。4月末の季節調整済み在庫率はLDPEが3.3か月、HDPEが3.6か月、PPが3.0か月、PSが1.5か月だった。
国産ナフサの一定量確保に加え、従来は2割程度だった中東以外からの輸入ナフサ量は、5月に大幅に増える見込みだ。原料調達の地域分散が進めば、石化メーカーの生産計画だけでなく、包装材、工業部品、食品容器など幅広い需要先の物流計画にも影響する。ホルムズ海峡を巡る船舶航行リスクが長期化すれば、原料調達ルートと国内在庫配置の見直しが一段と重要になる。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。
LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com
LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。
ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。

























