調査・データITサービスを展開するエイチームは12日、グループ会社のエイチームライフデザイン(名古屋市中村区)が、同社が運営する引っ越しの見積もり比較サイト「引越し侍」で、3月に引っ越し予定のユーザーに実施したインタビュー内容、提携引越業者を対象に実施したアンケートに関する調査データを公開した。同調査では50件の有効回答を得た。
引越し侍を利用したユーザーのうち、見積もり金額の最高額は117万円だったユーザー(3月末に引っ越し予定)にインタビューを実施したところ、以前の引っ越し時は15万円程度の荷物量が、今回は車で15分程度の距離を移動するのに100万円を超える見積もりが提示されたという。さらに同じタイミングで見積もりを取った3社とも100万円前後だった。
引っ越し業者の「人力引越社」(横浜市瀬谷区)に今回の見積もり金額について聞いたところ、繁忙期の適正価格は50万円から80万円程度であるものの、100万円前後の見積もり価格は相場的にあり得る範囲という。また、25年だけでなく今後も継続的に料金が上がる可能性があるということだった。
引っ越し料金は、通常月(5月-1月)では6万円から10万円なのに対し、3月は10万円から18万円と、1.8倍に平均料金が上昇。また平均料金は毎年値上がりする傾向があるため、3月は常に平均料金の最高額を更新していく可能性が高い。さらに3月の中でも上旬は7万円から12万円と、通常月からやや高い程度なのに対し、中旬では10万円から18万円、下旬では13万円から23万円と上昇。3月下旬の料金は通常月に比べて、2.2倍にまで値上がりする傾向がある。
25年の引っ越し料金が特に高くなる理由として「運送業界の2024年問題の影響を受ける」と回答した業者は8割以上。具体的な影響として人手不足と答えた業者が最も多く、次点で「対応件数の減少」が挙げられた。特に「長距離引越し」や「家族の引越し」の難易度が上がると予想される。
同社によると、引っ越し料金の高騰の原因として引っ越し価格には定価がなく、そこに24年問題を起因とする人手不足に加え、昨今の物価高による燃料費・資材費の高騰もあり、引っ越し料金を上げざるを得なくなったと分析した。こうした問題を解決するには「引っ越し時期の分散」が不可欠であり、需要の集中を防ぐことで人材やトラック確保の難易度を下げ、極端に高額な引っ越しを減らすことができる。また、大手だけでなく中小の引っ越し業者にも依頼をすることで、需要が分散して予約枠の取り合いにならず、極端な金額上昇が防げるとした。
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