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黒田精工、刃具ホルダーの製造・販売から撤退

2013年9月30日 (月)

産業・一般黒田精工は9月30日、ツーリング事業を抜本的に見直し、機工・計測システム事業へ経営資源を集中すると発表した。

1962年に製造販売を開始した同社のツーリング事業は、競合企業が増加する中で専用機用ツールから汎用MCツールへの需要のシフトの波に乗り遅れ、効率的な量産体制の構築、海外展開に出遅れたことなどから、近年では事業規模がリーマンショック前のほぼ半分の水準まで縮小し、構造的に不採算事業となっていた。

そこで、ツーリング事業を抜本的に見直し、刃具ホルダーの製造販売から撤退することを決めた。刃具ホルダーのうち、汎用ツーリング商品は台湾の世紀貿易グループに事業譲渡し、製品在庫、仕掛品、機械設備などを有償で売却する。自動車ライン用・多軸機用ツーリングは他社に譲渡するか、製造販売を終了する。

その上で、今後はクランピングユニット・エコセーバ・ハイドロリックツールなど競争力のある商品に集中して継続。ツーリング以外で継続するゲージなどのの機工・計測システム商品と、一体的な事業展開を加速する。

一時は構造改革と採算性の改善に取り組み、一定の成果が得られたものの「今後ツーリング事業を長期的に展望した際に、その競争ポジションの抜本的改善や規模の回復を期待することはできず、収益性をこれ以上さらに大幅に改善することも困難な状況」だと判断し、同事業の抜本的再構築を行うことにした。

世紀貿易グループは、黒田精工の汎用ツーリング事業を取得した後、台湾で低コスト生産ラインを構築して「KURODA/Winwell」ブランドで製造し、世界的に販売する方針。黒田精工は世紀貿易に対し、必要な技術指導、ブランドの使用許諾を行い、世紀貿易のツーリング事業立ち上げを支援するとともに、ライセンス料などを受け取る。

日本では、世紀貿易グループが販売会社を設立し、黒田精工の商権を可能な限り引き継ぐ。黒田精工はこの販社に少数株主として参加し、円滑な事業譲渡を支援する。