フードマルハニチロは24日、来年3月1日付で社名を「Umios」(ウミオス)に変更すると発表した。同社では社名変更を、創業と経営統合に続く「第三創業」と位置付け、10年後を目指して事業の領域やあり方を見直すとしている。
新社名は「海」(umi)に、ステークホルダーや地球と一体となるとの意思を込めた「one」、食を通じて地球規模の社会的課題解決に挑むとの決意を意味する「solutions」の頭文字oとsを加えたという。
同社は2007年に漁業会社のマルハとニチロが経営統合し、総合食品企業として事業拡大を図ってきた。マルハの創業が1880年、ニチロの創業が1907年で、今回の社名変更を「第三創業」と位置付け、「海を起点とした価値創造力で食を通じて人も地球も健康にするソリューションカンパニー」へと変革するとしている。
同社は社名変更とともに、今後の経営方針を示した新長期ビジョンと中期経営計画を公表した。それによると、事業を「持続可能な事業の選択と集中」「川下戦略とグローカル戦略へ投資」「付加価値創出を強化」の3つのテーマに分け、漁業分野を縮小、再構築する一方で養殖や食材流通、ファインケミカルなどの事業を強化するとしている。
また、荷受け事業を見直し、再編するなど物流事業をインフラ機能として位置付け、事業ポートフォリオから除外。そのうえで、「グローカル」な視点で水産物流通を強化し、食材流通の分野でグループ内の販売連携を強化する。
特に漁業分野では、操業コストの上昇や漁獲不漁、漁船老朽化などで利益が低下しており、不採算事業や漁船の選択と集中を行うとともに、建造中の新船投入などによる操業効率の改善を図る。
また、海外事業にも力点を置き、ASEAN域内の各大都市圏市場に向けた販売網を整備するほか、不振の北米市場で加工・販売機能強化や冷凍食品事業の拡大を図る。
これらの改革によって、10年後には海外経常利益比率70%以上、ROIC(投下資本利益率)7%以上の目標達成を目指すとしている。
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