調査・データ東京商工リサーチ(TSR、東京都千代田区)は24日、2024年の「一般貨物、貨物軽自動車運送業」業績動向調査の結果を発表した。人手不足、燃料費高騰、そして「2024年問題」による時間外労働の上限規制。三重苦にあえぐ運送業界の厳しい現状が浮き彫りとなった。
調査は、TSRの企業データベースから、一般貨物自動車運送業、貨物軽自動車運送業を対象に、2024年(23年12月期-24年11月期)の業績を抽出、分析。5期連続で業績が判明した7894社が対象となった。
2024年の運送業7894社の売上高は、14兆1396億円。前期比2.2%増と、わずかながら増収を確保した。しかし、最終利益は3493億円と、同2.0%減。売上高は伸びても、コスト増を吸収できず、利益が減少する構図だ。売上高利益率はわずか2.4%にとどまった。
増収となった企業は4033社(構成比51.0%)と、約半数。一方、黒字企業は6348社(同80.4%)と8割を占めた。黒字を維持しているものの、利益率は悪化しており、楽観視できない状況だ。
企業規模を見ると、売上高5億円未満の企業が4588社と、全体の約6割(構成比58.1%)を占める。中小・零細企業が多い業界構造が、価格転嫁の難しさに拍車をかけている可能性がある。
2024年は、運送業の倒産、休廃業・解散が急増。倒産は364件、休廃業・解散は574件で、合計938件(前期比28.3%増)と、過去10年間で最多を記録した。特に、燃料費高騰などの物価高を原因とする倒産が131件(構成比35.9%)発生しており、コスト増が経営を直撃している。
TSRによると、長時間労働の見直しは進みつつあるものの、ドライバー不足は一層深刻化。燃料費や人件費の高騰も続き、コスト上昇分を荷主に転嫁できない企業が、経営に行き詰まるケースが目立つという。
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