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全ト協青年部会長、健全な業界へ「チャレンジ」続ける

2025年3月28日 (金)

ロジスティクス2024年問題から1年。物流業界が大きな節目を迎えようとする今、全日本トラック協会青年部会の出島康佑部会長に、青年部会の取り組みや業界の課題について話を聞いた。

▲全日本トラック協会青年部会会長、出島康佑氏

出島氏は、青年部会として「適正運賃の収受:ドライバー確保のため、標準的運賃を用いた運賃交渉を推進」「DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進:労務管理の徹底やバックオフィスの効率化を目指す」「災害支援ネットワークの構築:災害時に迅速な支援ができる仕組みづくり」──の3つの重点取り組み項目を設定して活動していると説明した。

適正運賃の収受については、まだまだ進んでいない運賃交渉を推進してい必要がある。昨年、全ト協の坂本克己会長が提唱した「運送事業許可更新制」に触れつつ、「痛みを伴う改革として進めていかないと、健全な競争環境が作れない」との見解を示し、「その様な環境に適応できる様に、コンプライアンスに則った経営をしていく必要がある」と話した。

災害支援ネットワークの構築については「2024年1月1日の能登半島地震の経験から、迅速に支援物資を届けられる仕組みの必要性を感じた」と語る。能登半島地震では、被災地の状況を見て支援物資を運びたいという運送業者は多かったが、受け入れの体制をどうするのかというのが問題となった。そこで青年部会ではこの経験を踏まえ、会員企業のマッピングシステム構築を目指している。出島氏は「GoogleMap上に会員企業をマッピングし、災害時に近隣の企業に支援物資の受け入れや発送が可能か確認できるシステムを目指している」と説明する。その上で「将来的には、このネットワークを活用し、複数社での中継輸送など新たな仕組みづくりができないか」と今後の可能性に言及した。

DX(デジタルトランスフォーメーション)推進について出島氏は「20-30人規模の企業では必要性を感じていない場合もある」としつつ、「荷主側のDX化に対応するためにも、少しずつ慣れていく必要がある」と指摘した。荷主企業も新制度に対応し、CLO(物流統括管理者)の設置が順次進められており、それに伴って新規の物流システムが導入され、運送業者もそれへの対応が求められることは大いに考えられる。運送業は他産業に比べてデジタル化が進んでいないというのが実情だ。同氏もそうした状況を踏まえ、「大胆なDXは無理でも、部分的にデジタルを導入し、いざ導入しなければならないというときに向け準備を進めておいてほしい」との見解を語った。

最後に出島氏は「難しい状況ではあるが、青年部会として積極的に行動し、さまざまなことにチャレンジする姿勢を持ち続けたい」と意欲を示した。

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LOGISTICS TODAY編集部
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