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中野国交相、全ト協に価格転嫁や賃上げ対応を要請

2025年4月11日 (金)

▲国土交通省の中野大臣から全日本トラック協会の坂本会長へ要請書を手交(出所:国土交通省)

行政・団体国土交通省の中野洋昌大臣は8日、全日本トラック協会に対し、トラック運送サービスの運賃・料金への価格転嫁や、トラックドライバーの賃上げ実施を要請した。価格転嫁や賃上げは、荷主側での取り組みだけでなく、トラック運送業界内でも対応できる余地があるとの見解から求められたもので、要請書を受け取った全ト協の坂本克巳会長は、「大手、中小事業者を問わず業界全体として、ドライバーへの賃上げや価格交渉などに積極的に取り組み、魅力あるトラック運送業界にしていきたい」と表明した。中野大臣は8日に全ト協代表団らと意見交換を実施。その会合のなかで、元請けトラック運送事業者に対する下請法改正の十分な周知と、施行前からの早期の自主的な対応への着手を要請した。さらに、運送業務を委託する全てのトラック運送事業者において、多重取引構造を当然とする商慣習の見直しと、実運送にかかるコストを勘案した価格決定を求めたほか、労務費転嫁指針の趣旨を踏まえて、少なくとも運賃収入の上昇分は、ドライバーの給与引き上げに確実に反映させるよう依頼した。

中野大臣からの全ト協に対する要請内容は次の6項目。(1)下請法(下請代金支払遅延等防止法)違反がないか、業界全体での自主点検と、違反がある場合の迅速な不利益の補償や、「自発的申出」の活用(2)下請法の改正に関する検討状況の周知や、成立・施行前からの自主的な対応(3)「無償サービスの提供要請」、「手数料負担の押し付け」など、受注者の利益を損ね、価格転嫁を阻害する商慣習の見直し(4)最終製品やサービスを消費者に提供する企業や業界による価格決定の配慮および価格転嫁に係る情報発信(5)自主行動計画の策定や遵守、商慣習の見直し・パートナーシップ構築宣言を行う旨を盛り込むなどの改善(6)「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針の順守徹底。

これを受けて、全ト協は9日、全国の都道府県トラック協会長宛に今回の要請文書などを送付。会員事業者への周知や対応の徹底を呼びかけた。

トラック運送業の取引慣行見直しやドライバーの賃上げをめぐっては、3月14日に開かれた「トラックドライバー等との車座」で、石破茂首相からも「果敢な価格交渉と確実な賃上げ」の実現を要請されていた。

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LOGISTICS TODAY編集部
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