荷主住友ゴム工業は15日、タイヤ製造拠点の白河工場(福島県白河市)に水素製造装置を導入し、再生可能エネルギー由来のグリーン水素を年最大100トン生産すると発表した。タイヤ生産に必要な熱を作る燃料の一部を天然ガスから水素に変え、CO2排出量の削減を目指す。
導入した水素製造装置は新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成を受けて山梨県が開発を進めている「やまなしモデルP2Gシステム」で、今月から稼働を開始した。太陽光発電などの再生可能エネルギーを活用して水を電気分解することで、環境負荷の少ないグリーン水素を製造する。同社では、製造した水素をボイラーの燃料として使い、熱と圧力でタイヤの形状と性能を完成させる最終工程で活用する。システムは24時間稼働できる。
燃料を水素に置き換えることで、CO2排出量を年間1000トンの削減できると見込んでいる。

▲水素製造装置(出所:住友ゴム工業)
同社はNEDOや福島県の支援を受け、2021年から水素を使ったタイヤ製造の実証実験を行ってきた。実証実験では同県内の製造拠点から供給された水素と太陽光発電を組み合わせることで、タイヤ製造時のカーボンニュートラルを日本で初めて達成。23年1月からは、この方法で量産タイヤの生産を開始した。
こうした成果を受けて同社は同工場への水素製造機の導入を決め、昨年5月に山梨県と基本合意を締結した。
同社は同工場を「脱炭素グランドマスター工場」と位置づけており、今後、グリーン水素を使ったタイヤ製造のノウハウを蓄積しながら、将来的な国内外の他工場への展開も検討していく。先月には愛知県と経済団体らでつくる「中部圏水素・アンモニア社会実装推進会議」と、水素やアンモニアなどのサプライチェーン構築に向けて相互協力するとした基本合意書を締結しており、中部圏での水素活用も進めていく。
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com