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欧州の宅配便市場、30年に1104億米ドル規模に

2025年4月17日 (木)

調査・データグローバルインフォメーション(川崎市麻生区)は17日、インドの市場調査会社モルドール・インテリジェンスのレポート「欧州の国内宅配便市場:市場シェア分析、産業動向・統計、成長予測(2025年-2030年)」の販売を開始したと発表した。

欧州の国内宅配便市場規模は2024年に884億9000万米ドルと推定され、年平均成長率(CAGR)3.76%で成長、30年には1104億6000万米ドルに達すると予測されている。

EC(電子商取引)企業は顧客により良いサービスを提供するため、欧州でのネットワークを拡大している。例として、スペインの小売業者DIA(ディア)は、ジローナからウエルバまで、スペインの海岸線に沿ったすべての町に配送サービスを拡大し、500万人以上の新規顧客を獲得。22年には、ポルトガル、トルコ、ポーランドが、それぞれ13.3%、10.2%、10.1%と、欧州で最も売上高が増加した。

また、医療用品の需要の増加、医療費の増加、より迅速で効率的な配送サービスの必要性などの要因から、ヘルスケア製品の宅配便サービスは、この地域で今後数年間成長すると予想されている。23年以降、欧州5か国(ドイツ、英国、フランス、イタリア、スペイン)の小売総売上高はパンデミック以前の水準で成長して市場の成長をけん引し、欧州の国内宅配便市場は予測期間中にプラス成長が見込まれている。

市場の成長における課題として、ロシアとウクライナの紛争による供給問題による燃料価格の高騰が挙げられる。21年にガソリン1リットルの平均価格1.30ユーロ(1.38米ドル)だった価格が、22年の年初には1リットル当たり1.55ユーロ(1.65米ドル)まで高騰している。英国の燃料価格は22年に過去最高を記録し、7月のガソリン平均価格は1リットル当たり245.55米ドル、ディーゼルは251.79米ドルに達した。

欧州の輸送・倉庫部門においてはドイツが他国をリードしており、世界的に見てもドイツは商品の輸出入ともに第3位の国となっている。ドイツ連邦政府は交通インフラへの投資を拡大する意向を表明し、22年には連邦高速道路に120億ユーロ(128億米ドル)以上、水路に17億ユーロ(18億1000万米ドル)を割り当てた。さらに鉄道にも投資する意向であり、2022年、ドイツ鉄道、連邦政府、地方政府は、鉄道インフラ・プロジェクトに136億ユーロ(145億1000万米ドル)を投資。ニーダーザクセン州、ハンブルク州、ブレーメン州、メクレンブルク=西ポメラニア州、シュレースヴィヒ=ホルシュタイン州はDB(ドイツ鉄道)と提携し、30年までに鉄道網の近代化に投資する。

22年、欧州連合(EU)は135の交通インフラプロジェクトへの助成金54億ユーロを承認。同プロジェクトはEU加盟国の大洪水後の経済回復を支援し、交通網を強化し、持続可能な輸送を促進し、安全性を高めることなどを目的としており、30年までにEU全体の輸送インフラネットワーク構想であるTEN-Tコアネットワークを完成させ、50年までに総合ネットワークを完成させるという目標の一環となっている。

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LOGISTICS TODAY編集部
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