M&A鴻池運輸は18日、ドイツの物流システム開発大手EPGと合弁会社Ehrhardt Konoike Solutions(EKS)を設立すると発表した。鴻池にとってドイツでの初めての合弁会社設立となる。労働集約型の事業モデルからの転換を図り、デジタル技術を活用した付加価値の高いサービス提供を目指す。
新会社は物流倉庫運営とデジタルソリューションの開発に取り組む。資本金の出資比率はEPGグループが51%、鴻池運輸が49%。4月30日に合弁契約を締結し、7月1日の設立を予定している。本社はドイツ・ボッパルト市に置く。事業内容は倉庫運営とプロセス最適化、ソフトウエア開発・販売、プロセス改善コンサルティングを手がける。インダストリー4.0時代に対応した物流サービスを創出する。
EKSはマルチテナント倉庫を運営しながら、最先端の倉庫管理システム(WMS)や倉庫制御システム(WCS)を開発する。鴻池の物流運営の実績とEPGグループのソフトウエア開発力を組み合わせ、AI(人工知能)やロボティクスを活用したソリューションを提供する。同社は倉庫をプラットフォームとして活用し、開発・テスト・運用を一元化。デジタルツインの実現に向け、シミュレーション技術を活用する。データ分析による現場の生産性向上や改善活動を支援する。
EPGグループは1987年創業で、物流管理ソフトウエアの開発・販売を手がける。世界物流指数で4位に位置するドイツで、サプライチェーン実行ソフトウエアの主要プロバイダーとして知られる。同社はボイスピッキング、地上ハンドリングソフトウエア、ルート計画システムでも国際的な地位を確立。独立した倉庫管理システムソリューションと物流サプライチェーンの最適化で高い評価を得ている。
鴻池運輸の鴻池忠嗣取締役専務執行役員海外事業担当兼技術革新担当は「2030年ビジョン『技術で、人が、高みを目指す』の実現に向けた重要な一歩だ」と語る。同社は少子高齢化に伴う人手不足を見据え、デジタル技術を活用した生産性向上を目指す。
EPGグループのマルコ・エールハルト代表は「両パートナーの専門技術を生かし、より良い作業環境と高い生産性、安全性を提供するイノベーションを推進する」と述べた。

▲昨年1月、独デジタル・交通省政務次官が鴻池技術研究イノベーションセンターを視察する様子(出所:鴻池運輸)
■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。
※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com