財務・人事兵機海運は4月30日、2025年3月期の決算を発表した。売上高は前年比6.2%減の137億2600万円、営業利益は同5.4%増の5億4800万円、経常利益は8.9%減の6億1800万円、最終利益は15%減の4億3500万円と減収最終減益だった。
内航事業の売上高は1.1%減の68億5500万円、セグメント利益は同10.1%増の3億3900万円だった。適正運賃への改定を顧客へ継続交渉をするとともに、各船主への定期用船料の増額実施および新造船を就航させた。また、航海期間の短い輸送にはトリップ用船の積極的な配船や輸送ニーズに応じて台船を使用したプラント輸送などにより、収益の底上げと利益率改善を実施した。一方、主要顧客の工場設備の更新にともなう出荷休止期間があり、輸送取扱量が減少、社艀の不稼働期間もあり、売上は伸び悩んだ。
外航事業の売上高は15.2%増の14億9000万円、セグメント利益は1.3倍の2億3500万円だった。韓国、台湾向けの鉄鋼製品は堅調な取扱いで前年並みで推移し、設備輸送案件などスポット貨物は順調に取扱いを伸ばした。また、円安レートによる影響でドル建て海上運賃の売上にプラス効果が表れ、収益の下支えとなった。一方、外航事業の主力貨物の一つである中国、中央アジア向けの建機輸送が後半にかけてRORO船との集荷競争により前年対比で取扱量が減少した。
港運事業の売上高は22.9%減の37億1600万円、セグメント損失が1800万円(前期は利益1億100万円)だった。中国経済の停滞などもあり、輸出入取引を行う顧客において取引形態や貿易相手国の見直しなどが顕在化した。またトラック運送料や倉庫作業料などの費用が増加、一般管理費も上昇傾向にあり、価格改定の交渉を実施したものの利益改善に至らなかった。
倉庫事業の売上高は4.5%増の16億6400万円、セグメント損失が800万円(前期は利益800万円)だった。兵庫埠頭物流センターの固定資産税および減価償却費の負担増、作業員人件費および資材費高騰などが利益を圧迫した。危険品貨物取扱いやISOタンクコンテナの保管収益は堅調に推移した一方、神戸、大阪地区の一般貨物が伸び悩み、契約期間終了による物量減少もあり全体的なカバーには至らなかった。
26年3月期の通期予想は、売上高は2%増の140億円、営業利益は5.8%増の5億8000万円、経常利益は1.9%増の6億3000万円、最終利益は1.1%増の4億4000万円を見込んだ。
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