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川崎汽船決算、自動車関連が回復し増収増益

2025年5月7日 (水)

財務・人事川崎汽船は7日、2025年3月期の決算を発表した。売上高は前年比9.4%増の1兆479億4400万円、営業利益は同22.2%増の1028億5500万円、最終利益は2.99倍の3053億8400万円と増収増益だった。

ドライバルクセグメントは売上高が前年比9.8%増の3223億円、セグメント利益が同1.78倍の135億円だった。市況エクスポージャーを適切に管理すると同時に運航コストの削減や配船効率を向上し、増収増益となった。

エネルギー資源セグメント(液化天然ガス輸送船事業・電力事業・油槽船事業・海洋事業)は売上高が3.5%減の1019億円、セグメント利益が33.5%減の49億円だった。LNG船、電力炭船、大型原油船、LPG船、ドリルシップ(海洋掘削船)およびFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)が中長期の傭船契約のもとで順調に稼働した。

製品物流セグメントの売上高は11.7%増の6128億円、セグメント利益は2.29倍の2943億円だった。自動車船事業は半導体および自動車部品の供給不足が概ね解消されて回復基調が継続し、運賃修復および運航効率の改善に取り組んだ。

物流事業において国内物流・港湾事業では、コンテナ船ターミナル取扱量、曳船事業の作業数および倉庫事業の取扱量がそれぞれ堅調に推移。国際物流事業ではフォワーディング事業における半導体関連や自動車関連貨物の荷量が前期比で増加し収益が改善した。完成車物流事業は、豪州各港での取扱量に影響を与える新車販売台数は高く推移し、第2四半期以降続いていた検疫問題による寄港隻数の減少などの影響も改善し、2025年初めから取扱台数が回復した。

近海事業では鋼材の新規契約獲得および堅調なバイオマス燃料輸送により、輸送量は前期比で増加した。一方、内航事業では定期船輸送での農水産物や建築部材などの荷動きが堅調に推移したもののフェリー輸送の稼働減や一部航路の減便により輸送量が減少した。不定期船は順調な稼働により輸送量が増加した。

コンテナ船事業は同社の持分法適用関連会社であるオーシャンネットワークエクスプレス(ONE)の業績が、堅調な個人消費と中東情勢に起因する喜望峰ルート利用の長期化や港湾混雑による船腹需要の高まりを背景に好調に推移。旧正月以降、荷動きの鈍化や船舶の供給過剰を受け運賃市況は下落傾向にあるものの、前期比では大幅な増収増益となった。

26年3月期の通期予想は、売上高は9.3%減の9500億円、営業利益は22.2%減の800億円、最終利益は67.3%減の1000億円を見込んだ。特に自動車船事業においては米国の関税政策などの影響による米国内の自動車需要の減退など、米国向け海上荷動きの環境変化を見込んでいる。

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LOGISTICS TODAY編集部
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