財務・人事NIPPON EXPRESSホールディングスは13日、2025年12月期第1四半期の決算を発表した。売上高は前年同期比4.5%増の6452億8000万円、営業利益は同3.3倍の114億1600万円、最終利益は60.7%増の12億4800万円となった。
同社によると、世界経済は一部の国や地域における堅調な内需やインフレの落ち着きによる実質所得の持ち直しを背景に底堅い成長を維持した一方で、ウクライナや中東情勢といった地政学リスクに加え、米国の関税政策の影響による世界経済の悪化リスクの急激な高まりにより、先行きの不透明感が増す情勢となっていると見ている。
物流業界においては、国際物流では主要国の消費や生産、設備投資に持ち直しの動きがみられ、航空貨物・海運貨物ともに堅調に推移。一方で紅海情勢不安によるスエズ運河航行回避の長期化や米国の関税政策の影響によるサプライチェーンの混乱などが懸念されている。国内物流は物価上昇の継続による消費マインドの低下などにより、総じて力強さに欠ける荷動きだったという。
セグメント別の売上収益(外部顧客向け)は、日本(ロジスティクス)が前年同期比2.3%増の3124億円、米州(ロジスティクス)が6.2%減の347億円、欧州(ロジスティクス)がSimon Hegele社グループの連結効果などにより8.1%増の1221億円、東アジア(ロジスティクス)が半導体関連を中心に11.3%増の415億円、南アジア・オセアニア(ロジスティクス)が9.8%増の381億円となった。
また、警備輸送は3.3%減の170億円、重量品建設は風力発電関連やシャットダウンメンテナンスの増加により21.7%増の129億円、物流サポートは半導体関連の設備工事の獲得や建設機械の販売好調により9.4%増の1181億円となった。
セグメント利益は、日本(ロジスティクス)が17.2%増の74億円。航空貨物、海運貨物の取扱いが増加したことに加え、料金改定が奏功した。
米州(ロジスティクス)が66.7%増の17億円。航空貨物の取扱いは堅調であったものの、自動車配送における前年スポット需要の反動減の影響を受けた。
欧州(ロジスティクス)が各種コスト増の影響により43.6%減の17億円。航空貨物の取り扱いが鉄鋼関連を中心に増加したことに加え、独サイモン・ヘーグルグループを新たに連結の範囲に含めたことにより、売上高は1221億円と前年同四半期に比べ91億円、8.1%の増収となったが、航空貨物、海運貨物の利用費上昇等各種コスト増の影響を受けたため減益となった。
東アジア(ロジスティクス)が事業再編・機能統合効果により3倍の13億円となった。南アジア・オセアニア(ロジスティクス)は11.2%増の11億円。前年の新紙幣切り替え対応の反動減により、警備輸送は49.4%減の6億円。重量品建設は71.7%増の13億円、物流サポートは55.0%増の37億円だった。
2025年12月期の通期予想は、売上高は4.7%増の2兆7000億円、営業利益は63.0%増の800億円、最終利益は73.3%増の550億円を見込んでいる。
米国の関税政策については、同社グループの国際フォワーディング数量や販売価格等に影響を及ぼす可能性があるが、業績に与える影響の合理的な算定が困難であるため、業績予想には織り込んでいないという。同社は情報収集や分析を進めるとともに、短期・中長期の施策により影響の極小化を図る方針。
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