調査・データ日本内航海運組合総連合会(内航総連)がこのほど発表した、内航主要オペレーター(58社)の輸送動向調査によると、3月の貨物船輸送量は1764万8000トンで前年同月比2%増加、油送船(タンカー)の輸送量は865万9000トン(キロリットル)で3%増加したことがわかった。
貨物船を輸送主要品目別に見ると、鉄鋼は1%増。前月は時化の影響を広範囲に受けたこともあり減少していたが、今月は前月の繰り越し貨物もあって増加に転じた。
原料は1%増。石灰石は前年同月が低調であったため、微増であるが反動増となった。燃料は15%減。石炭、コークスともに減少で推移。石炭は積地側設備の故障により荷役ができず輸送量を大きく落とした船社があった。紙・パルプは72%増。木材は船不足により減少が見られていたが、年度末の輸送需要の増加が見られたため全体として大きく増加した。
雑貨は2%増。一般雑貨は関西向けのコンクリート製品はじめ、飲料、肥料、飼料の輸送が堅調だったほか、コンテナは輸出品の横持ち輸送が増加、塩の増加も見られた。自動車は8%増。前年同月が認証不正問題による影響で減少していたため反動増が見られた。一方、3月6日に起きた自動車部品工場の爆発事故により、部品不足から複数の自動車メーカーが生産ラインを停止させており次月に繰り越す貨物が見られた。セメントは2%減。大型セメントタンカーの入渠が終了したことで通常の輸送数量に戻り前月比でみると増加した。
タンカーでは、黒油が4%減。製油所の装置不具合に伴う輸送需要が一部で継続している。一部で陸上施設の工事や陸上係員の人手不足による荷役作業の停滞が見られた。白油(ガソリン・灯油・軽油)は3%増。時化の影響が少なかったため増加が見られた反面、黒油同様に一部で製油所の装置不具合に伴う輸送需要から輸送距離の長距離化が継続している。
ケミカルは8%増。前年同月は一部で陸上施設のトラブルによる荷役の中止が見られ減少しており反動増が見られた。高圧液化は14%増。前年同月は荒天の影響が大きかった上に定期修理の影響もあり全ての品目で減少が見られたが、今月はその影響がなかったため全体として増加した。高温液体は3%減。硫黄は増加した一方で、その他の高温やアスファルトは輸送の減少が見られ全体として減少した。耐腐食は10%増。苛性ソーダやその他の腐食性液体は旺盛な輸送が見られたため、全体で輸送量は高かった。
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