国内日本郵政と日本郵便は26日、郵便局アプリに新たな機能を追加したと発表した。ゆうパックスマホ割アプリと郵便局アプリの統合を進め、郵便・物流サービスの利便性向上が目的。これまで「ゆうパックスマホ割アプリ」で提供した全サービスと割引が、郵便局アプリから利用できるようになった。また同時に、7桁の英数字で住所表現を可能にする「デジタルアドレス」の提供も開始する。
アプリの新機能では、利用者が送り状作成時、「カード事前決済で作成」を選ぶと、受取人に受取場所入力を依頼できる。差出人はSNSやメールを使い郵便局アプリ発行のURLを共有し、受取人はそのURLから自宅や郵便局、コンビニ、宅配ロッカーなど多様な受取場所を選べる。送り状作成の流れは、荷物情報を入力後、LINEやメール、SMSなどでURLを送信し、受取人が指定画面で受取場所を入力し完了する形となる。
ゆうパックスマホ割アプリから郵便局アプリへのデータ移行機能も30日から始まる。アドレス帳(住所録)や送り状作成履歴が移行できる。移行済みデータは、ゆうパックやゆうパケットの送り状作成時に利用可能になる。ゆうパックスマホ割アプリは同月下旬に提供を終了し、作成・編集機能は30日に停止する。移行には同一の「ゆうID」でのログインが必須だ。移行操作を実施しなくても継続利用割引の個数は引き継がれる。
さらに、日本郵便は同日、7桁の英数字で住所表現を可能にする新サービス、デジタルアドレスの提供を開始したと発表した。これは、ゆうIDに登録した住所を7桁の英数字に変換するサービスで、従来の長い住所表記や入力の手間を軽減し、各種サービス利用時の利便性向上を目指している。登録・利用は無料で、郵便局アプリのゆうパック・ゆうパケット「送り状作成機能」に対応している。アプリのデジタルアドレス入力欄に7桁の英数字を記入するだけで、登録済みの住所が自動反映され、長い住所の手書きやウェブサイトでの入力が不要となり、記入ミスも防止できる。
デジタルアドレスは住所そのものではなく、個人のゆうIDにひもづく仕組みだ。引っ越しで実際の住所が変わっても、登録内容を更新すれば同じアドレス」を継続して使用できる。また、家族・友人・各種サービス提供者との情報共有も円滑になる。プライバシーに配慮した設計により、7桁の英数字には地理的な場所や同居者情報を含まず、名前の特定や、名前・住所からデジタルアドレスの検索もできない仕様となっている。
日本郵便は現行住所の「わかりにくさ」や「日本語の揺らぎ」という課題に加え、IT普及に伴う配送ニーズ増加による住所入力機会の増加を背景に、新たな仕組みが必要と判断した。2024年12月11日から2025年1月13日にかけて実施した954名への調査では、ウェブサービスでの住所入力(61.4%)、病院やホテルでの住所記入(75.7%)、引越し時の住所変更(85.1%)を「面倒」と感じる人が多数を占めた。これらの利用者の声を反映し、郵便番号制度に新たな仕組みを重層的に組み込む形でデジタルアドレスの構築に取り組む。
今後、日本郵便は「郵便番号・デジタルアドレスAPI」を無料で提供し、社外サービスとの連携を拡大する予定だ。各産業分野の事業者によるAPI導入により、日本郵便以外のサービスでもデジタルアドレスの利用機会が増えると見込んでいる。同社は「住所を、もっと便利に。」というコンセプトのもと、デジタルアドレスを軸とした住所利用の進化を推進していく。
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