環境・CSR環境省や気象庁気象研究所、日本航空(JAL)などは3日、大気中のCO2濃度などを航空機で測定する「CONTRAIL(コントレイル)プロジェクト」で使用する機体として、4日から新たにボーイングの次世代機787-9型機1機が加わると発表した。787-9型機が運航しているインドや赤道域での観測再開や中東での初めての観測も期待されている。
CONTRAILプロジェクトは、民間航空機を活用し、上空に存在するCO2やメタン(CH4)、亜酸化窒素(N2O)など温室効果ガス(GHG)の濃度や同位体比を広範囲、高頻度で観測することで、地球規模の炭素循環や気候変動メカニズムの解明を目指している。

▲CONTRAIL仕様に改修されたボーイング787-9型機「JA868J」(出所:JAL)
プロジェクトは1993年、気象研究所とJAL、JAL財団で開始し、2005年からは国立環境研究所、航空機器製造のジャムコ(東京都立川市)も参加している。民間航空機による上空のCO2濃度の継続観測は世界初の試みで、収集データは国内外の研究者から高く評価され、世界中の研究に役立てられている。
これまで、JALのボーイング747-400型機やボーイング777-200ER型、300ER型機に濃度連続測定装置(CME)と自動大気サンプリング装置(ASE)を搭載し、ことし4月までに世界84空港、延べ2万2000フライトで3万件以上の大気データを取得してきた。
しかし、ボーイング777型機が順次退役を迎えていることから、最近は大気観測の範囲や頻度が減少しており、787-9型機に搭載するCMEとASEの開発と機体改修を進めていた。今年度中には、さらに4機が加わる予定で、観測体制が強化される。
今回加わったボーイング787-9型機は、主に成田と米国・ドイツ・マレーシアなどを結ぶ国際路線に就航している。4日の成田‐フランクフルト便から観測を開始した。
JALは「今後も5者の強固なチームワークと環境省の支援のもと、上空の広範囲を定期的に飛行する航空機の特性を生かした貴重な大気データの収集・分析を通じ、気候変動メカニズム解明と地球環境保護に寄与していく」としている。
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