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再生プラ「Repla」、CO2排出87%削減を実証

2025年12月4日 (木)

調査・データプラスチックのリサイクルを中心とした環境事業を展開するesa(イーサ、東京都千代田区)は4日、京都大大学院との共同研究で、同社の再生プラスチックペレット「Repla」が、従来のバージンプラスチックに比べてCO2排出を87%削減し、発がん性を90%低減することなどを確認したと発表した。研究成果は11月25日、環境技術に関する英学術雑誌「グリーンケミストリー」に掲載された。

同社は、これまでリサイクルが困難だった複合プラスチックのペレット化を実現するなど、焼却や埋め立てに頼らない再資源化技術に取り組んでいる。Replaは、産業廃棄物として焼却されてきた複合プラスチックを回収し、独自のマテリアルリサイクル技術によって再生したプラスチック樹脂ペレットで、レジ袋や車いすの部材などとして活用されている。2023年度には「グッドデザイン賞」を受賞した。

同社では22年から京大大学院と、再生したペレットの構造解析や環境負荷の少ない循環資源の研究に取り組んでいる。今回の研究では、Replaを対象に、化学構造や物性の解析、ライフサイクル全体の環境影響評価を試みた。

その結果、Replaのペレット化工程での1トンあたりのCO2排出量は364キロにとどまり、バージンポリエチレン(Virgin-PE)と比較して87%削減、植物由来のバイオポリエチレン(Bio-PE)と比較しても83%削減されることを確認した。

また、1トンあたりの人発がん性毒性はVirgin‑PEに比べ90%低減、Bio‑PEと比較しても95%低減した。製造に使われる石油資源もVirgin‑PEやVirgin‑PEに比べ94%から97%削減できる。

さらに、Replaを50%混合したプラスチック袋を、ベトナムや日本の工場で製造するシナリオを比較した結果、Bio‑PEを同じ割合で混合する場合に比べ、CO2排出量が42%減少し、人発がん性毒性を61%低減、資源消費量も61%減少することが分かった。研究チームは、電力供給や原料の改善によって持続可能性をさらに向上できるとしている。

同社は「再生ペレットReplaが、従来のプラスチック素材に比べて環境負荷を大幅に低減できることが科学的に実証された。これは単なる研究成果にとどまらず、今後の市場展開や事業化を後押しする大きな一歩だ」としている。

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