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日本山村硝子などCO2ゼロのガラス溶融技術実証

2025年6月11日 (水)

調査・データガラス製品メーカーの日本山村硝子(兵庫県尼崎市)は10日、大阪大学大学院や東京ガス、関西電力との共同研究で、ガラスびんなどに用いられるソーダ石灰ガラスを、CO2を排出しないアンモニア燃焼で溶融することに成功し、ガラス溶融工程で CO2フリーが可能なことを実証したと発表した。

これまでソーダ石灰ガラス製品の製造では、ガラスを溶融する際、 炭酸カルシウムや炭酸ナトリウムなどの炭酸塩原料と、都市ガスなどの化石燃料が使用され、CO2の排出は避けられなかった。燃料の脱炭素化については、水素やアンモニアを燃料とした研究が進められているが、原料に由来する CO2の排出量削減が大きな課題だった。

CO2排出ゼロのガラス溶融のイメージ(出所:日本山村硝子)

研究グループは今回、炭酸ナトリウムや炭酸カルシウムを使用2ず、CO2を含まないナトリウム・カルシウムシリケートを用いることで、原料に由来する CO2排出を根本的に回避した。さらに、燃料にはアンモニアを使用することで、ガラス溶融工程でのCO2排出ゼロを実現する技術を開発した。

研究グループは「ガラスびん製造における原料と燃料の両面からの脱炭素化を同時に達成し、世界でも類を見ない成果となった。今後は工業スケールへの応用に向けた研究開発を進め、持続可能なガラス製造技術の実現に貢献していく」としている。

研究成果は先月28日、持続可能性分野に特化した国際学術誌「Materials Today Sustainability」にオンライン掲載された。

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LOGISTICS TODAY編集部
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