ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

日立、カナダでCO2回収実証試験設備を建設

2013年11月21日 (木)

荷主日立製作所は21日、カナダの大手電力会社「サスカチュワン州電力公社」と共同で、石炭火力発電所の排出ガスからCO2を回収する実証試験向けの設備(CCTF)の建設を開始すると発表した。

この実証試験は、2012年3月にサスクパワー社と共同で実施することに合意したことを受けたもで、14年秋頃に建設を完了し、14年中には実証試験を開始、大型の商用機を見据えたCO2回収技術全体の信頼性や経済性などを総合的に評価する。

カナダでは、国を挙げてCCS(CO2の回収・貯留)技術の開発や実証試験を進めており、特にサスクパワー社は複数のクリーンコールプロジェクトでCCSの技術開発を進めている。

日立は90年代にCO2回収技術の研究開発に着手し、自社の研究設備や国内外のパイロット装置などで実証試験を重ねていた。

実証試験では、CO2回収技術の確立に積極的に取り組んできた両社の技術・ノウハウを集約し、CCTFで採取するデータをもとに、CO2の回収効率や回収に必要なエネルギー量など、大型の商用機を見据えたCO2回収技術全体の信頼性、経済性などを総合的に実証・評価する。

建設を開始したCCTFは、サスクパワー社が所有するサスカチュワン州エステバン市近郊のシャンド石炭火力発電所(298MW)から排出されるガスに含まれるCO2を、アミン液で吸収分離する化学吸収法を用いて1日120トン回収する設備となる。

傘下のバブコック日立とサスカチュワン州の日立パワーシステムズカナダ社が、日立独自のCO2吸収液「H3-1」の供給や、主要機器の設計・製造を担当する。