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国内化粧品受託製造市場、EC後押しで堅調に推移

2025年7月8日 (火)

調査・データ矢野経済研究所(東京都中野区)は4日、国内の化粧品受託製造市場の規模に関するレポートを公表し、2024年度の市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比2.6%増の3574億円だったとするレポートを公表した。今年度も前年度比2.0%増の3619億円が見込まれるとした。

化粧品受託製造市場は、コロナ禍後の化粧品需要回復を見据えた化粧品ブランドメーカーや異業種参入企業からの新規オーダーとリニューアルオーダーで一時的に勢いが見られたが、その後は店頭での化粧品販売が想定通りに進まない傾向が続いている。原因として、消費者のニーズや嗜好の多様化のほか、通信販売やEC(電子商取引)チャネルの台頭、韓国コスメをはじめとする海外製化粧品の流通量増加など、製品や販売チャネルの分散化が考えられる。このため、化粧品受託製造企業は慎重に発注計画を進めており、24年度の受託案件は緩やかな回復がみられたものの弱含みで推移した。

一方、22年度以降、化粧品受託製造企業はクライアントへの価格改定交渉を進めており、価格転嫁の効果もあって市場規模は前年度を上回った。

最近の市場の傾向としては、急速な通信販売やオンラインでの化粧品購入が普及した結果、販売チャネルの多様化が進んでいる。さらに、製造設備を保有しない、商品企画・セールスプロモーションに特化したファブレスメーカーの商品を中心としたインパクトのある付加価値型化粧品が通販やオンライン販売を中心に増加している。

同時にSNSを駆使した芸能人やアーティスト、著名美容家などのオリジナルブランド商品などのビジネスも存在感を増すなど、マスマーケットである一般品流通市場から特定のニーズや関心を持つスモールマスの市場への分散化が進んでいる。

こうした流通構造の変化にともない、同社は「特定の市場やチャネルへの大口発注を控えるクライアント企業サイドの慎重な姿勢が今後も続くと共に、チャネルの多様化に対応する化粧品ブランドメーカーのブランドポートフォリオの再構築が続く」と指摘している。また、今年度の見通しについては「コロナ禍収束によるメイク需要回復や、訪日外国人客の消費による市場の活性化などで、全体では弱含みな傾向が続くものの、底堅く推移する」とした。

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LOGISTICS TODAY編集部
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