関東運輸局、大型トラック左折死亡事故多発で通達

行政・団体関東運輸局は18日、大型トラックが自転車などを巻き込む左折死亡事故が多発しているとして、管内の運輸支局に対し、トラック運送事業者への指導を徹底するよう通達した。

トラックの死亡事故は、過去に大型トラックの左折事故が社会問題となり、左折巻き込み防止装置対策などの車両安全対策が施されてきたが、関東運輸局管内で2012年に発生した事業用自動車の事故状況分析を行ったところ、依然として大型トラックが左折時に自転車や歩行者を巻き込む死亡事故が多数発生していることが判明した。

この事故事故要因調査では、年数の経過とともに事業者や運転者の左折時の危険認識が薄れてきており、同運輸局では「運転者席からの視界を確保するために左扉の下部に設けられた窓を棚などで遮り、死角が増大するなど安全機能を損なっていることが事故要因だと思われる」と指摘。

この結果を受け、管内の運輸支局長に対してトラック協会の協力を得つつ、「あらゆる機会を通して関係事業者に指導を徹底」するよう通達したもの。

関東運輸局では、運行管理、運転者関連、車両に分けて要因を指摘し、考えられる再発防止策として、（1）運転者に対する指導監督の徹底、最近のトラック事故の発生状況の把握、トラックの構造上の特性把握（2）適切な点呼・運行指示の実施、対面点呼の実施、運行指示書の確実な記載（3）運転者席からの視界を広く確保する運転者に対する指導監督の徹底、トラック左扉の下部に設置されている窓を有効に活用、後写鏡の適正な調整——などを挙げた。

さらに、「国土交通省作成の事故防止マニュアルが浸透していないことが判明した」として、改めて活用を促すことを決めた。

■国土交通省作成の事故防止マニュアル
http://www.mlit.go.jp/jidosha/anzen/03manual/index.html