荷主合成ゴムなどを手がける化学メーカーの日本ゼオンは15日、同社の氷見二上工場(富山県氷見市)に、大画面液晶テレビ用位相差フィルムの製造ラインを増設すると発表した。液晶パネルの大型化ニーズの拡大に応えるため、世界最大級となる3000ミリ幅フィルムを生産する予定で、2027年夏の量産開始を目指す。

(出所:日本ゼオン)
同社の光学フィルムは、独自のポリマー設計技術で開発した熱可塑性プラスチック(COP)を原料に用い、世界初の溶融押出法で生産されている。こうして製造されたフィルムは、優れた光学特性と寸法安定性があり、大型テレビやモバイル機器のディスプレイに視野角補償や反射防止などの機能を持たせる位相差フィルム用として需要が拡大している。
計画によると、同工場内に新たな建屋を建設し、年間4500万平方メートルの生産能力を持つ設備を導入する。増設によって、同社のテレビ用位相差フィルムの生産能力は20%向上し、年間生産量2億6400万平方メートルに拡大する。27年の量産開始に向け、操業人員の確保も進めていく。

▲工事の安全を祈願した起工式(出所:日本ゼオン)
同日、同工場で行われた起工式には、豊嶋哲也社長や富山県、氷見市の関係者、工事事業者ら44人が出席し、工事の安全を祈願した。
同社はCOP製フィルムを事業の成長ドライバーとして位置づけており、「優れた材料特性に加え、樹脂からの一貫生産体制や複数生産拠点による高い供給安定性を強みに事業拡大を図る」としている。
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