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公取委がニシムタ確約計画を認定、7.3億円返還へ

2025年9月5日 (金)

行政・団体公正取引委員会は5日、鹿児島市に本社を置くホームセンター運営会社ニシムタが申請した確約計画を認定したと発表した。同社の取引慣行には、独占禁止法第19条で禁じられる「優越的地位の濫用」に当たる疑いがあり、改善策を自主的に実施することで競争環境を早期に回復させる狙いがある。今回の認定により、納入業者に不当に負担させたとされる金銭的価値について、50社に対し総額7億3000万円が返還される見通しとなった。

問題となったのは、ニシムタが南九州で展開する27店舗(スーパーセンターを含む)での納入業者との取引。同社は、商品管理費や開店広告協賛金、物流支援費などの名目で、算出根拠や使途を明らかにしないまま、仕入れ金額に一定の料率を乗じて金銭の提供を求めていた。物流支援費は、値札貼り作業の廃止に伴い新たに発生した経費を納入業者に転嫁するものだった。さらに、新規開店や改装開店の際には、自社商品の搬入・陳列にとどまらず、店舗全体の作業に納入業者の従業員を派遣させ、通常必要となる派遣費用を負担しない事例もあった。取引依存度の高い納入業者が多く、実質的に拒否できない状況下での要請は、優越的地位の濫用に当たる可能性が高いとされた。

公取委は7月31日、ニシムタに対して確約手続の通知を行い、自主的な是正措置を求めていた。これを受けて同社は、問題行為の中止、再発防止の徹底、従業員研修や外部専門家による定期的な監査の実施などを盛り込んだ計画を提出。納入業者に対して金銭的価値の回復も行う方針を示した。公取委はこれらの措置について、内容の十分性と実施の確実性を認め、認定に至った。

確約手続は、違反の疑いがある行為について事業者が自主的に排除措置を講じることで、行政処分に代えて早期是正を図る仕組み。公取委が違反を正式に認定するものではないが、是正内容が公表されることで事実上の警告としての意味を持つ。

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