調査・データ米市場調査会社のパノラマデータインサイトは5日、世界のサプライチェーン(SC)セキュリティー市場は、2021年に20億米ドル規模となった後、31年まで年平均12.6%で成長し、同年には63億米ドルと3倍を超える規模にまで拡大するとのレポートを公表した。
レポートによると、同市場拡大の最大の要因は、ブロックチェーンやIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)の導入拡大で、こうした技術はサプライチェーンの透明性を高め、不正や改ざんリスクを軽減し、リアルタイムでの追跡や監視を可能にする。特に、ブロックチェーン技術はトレーサビリティーを飛躍的に改善し、AIは異常検出や需要予測によってリスクの低減に寄与している。
特に新型コロナウイルスは、SCセキュリティー市場に大きな影響を与えた。ロックダウンや渡航制限で供給網が分断されたことから、セキュリティー対策の重要性が再認識され、多くの企業がIoTセンサーやAIを活用し、回復力と透明性を高める取り組みを強化した。これを契機にリスク管理のあり方が根本的に進化し、今後も長期的な需要拡大につながると考えられる。
地域別にみると、北米は21年に最大の市場シェアを獲得した。ブロックチェーンやAI、IoTの採用が進んだことに加え、政府の取り組みや信頼性の高いサプライチェーンを求める企業が増えたことで、市場が拡大した。また、今後はアジア太平洋地域が最も高い成長率を示すと見込まれる。経済成長と貿易量の増加にともない、安全で効率的なサプライチェーン運営に対する需要が高まると予想される。
同社は「今後10年間、同市場は技術革新とリスク対応の高度化に支えられ、堅調な成長を遂げる。企業は単なるコスト削減から、持続可能性や回復力、透明性を重視する方向へシフトしており、新たな投資の原動力となる」と指摘。特に、デジタル技術を活用した「次世代型サプライチェーンセキュリティー」が市場をけん引するとしている。
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