ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

埼玉県、貨物駅見学会で持続可能な物流確保訴える

2025年9月11日 (木)

ロジスティクス埼玉県は9日、越谷市の越谷貨物ターミナル駅で「貨物ターミナル駅見学会」を開催した。県内の荷主企業や物流事業者を対象に、鉄道貨物輸送の有効性を紹介し、モーダルシフトへの理解と関心を高める狙い。当日の参加者は80人の定員に達し、盛況となった。

▲フォークリフトによる荷役のデモンストレーション

県は2024年9月、国や業界団体など23団体とともに「埼玉の持続可能な物流の確保に向けた共同宣言」を発表しており、今回の見学会はその一環として企画されたもの。

▲埼玉県産業労働部、産業労働政策課の今西正憲氏

イベント前半の講演会は越谷市のサンシティホールで開催。国が行っているモーダルシフト支援事業、補助金などの制度についての説明に続いて、埼玉県産業労働部、産業労働政策課の今西正憲氏が登壇。今西氏はこれまでの県の人手不足への取り組みを紹介。また、物流の効率化を目指す今回のモーダル見学会は、「埼玉の持続可能な物流の確保に向けた共同宣言」の一環として実施されたものであり、「着実な前進が必要だ」とした。

▲埼玉県環境部温暖化対策課、堀口忠芳氏

また県の環境部温暖化対策課の堀口忠芳氏からは、県内の温室効果ガスは2013年度比で30年には46%削減が目標となっており、今のところ一定程度の成果が上がっていることが示された。一方で、「運輸部門では、最も排出量の多い乗用車が減少傾向にあるものの、2番目に排出量が多いトラックの排出量は、07年以来あまり削減ができていない」ことを指摘。「モーダルシフトなどにより、サプライチェーン全体での対策強化が必要だ」と強調した。

▲JR貨物関東支社営業部、石井崇寛氏

最後に日本貨物鉄道(JR貨物)の関東支社営業部の石井崇寛氏による「JR貨物の概要と取組について」と題する講演が行われた。運用の状況や規模などのほか、鉄道貨物は10トントラック65台分を一人の運転手で輸送できることやCO2排出量がトラックの11分の1であることなどのメリットが紹介された。また、利用運送業者を介したコンテナ単位での簡便な利用方法の解説が行われ、参加者は興味深く耳を傾けていた。

▲見学会の様子

後半は会場を移し、越谷貨物ターミナル駅構内を見学。コンテナ積み卸し作業のデモンストレーションが行われ、実際に稼働するフォークリフトや大型機材の動きを間近で見る機会となった。また、駅構内施設や各種コンテナも公開され、参加者からは「自社の物流にどう活用できるか検討したい」との声が上がった。

▲コンテナにはGPSが取り付けられており、随時現在地を確認することができる

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。