メディカル自動認識システムの開発などを手がけるサトーは25日、医薬品・医療機器の輸送中の品質管理や偽造防止の方法などを紹介するコラムを、同社のホームページで公開した。RFID(無線周波数識別)技術や封かんシールなどを使った対策を、導入事例とともに紹介している。
医薬品・医療機器の物流過程では、温度管理の徹底のほか、偽造や盗難防止の対策が求められる。特に最近は感染症のワクチンなど、厳密な温度管理を必要とする医薬品の物流ニーズが高まっている。
また、偽造品の流通や輸送時の盗難、不正開封などがあった場合、利用者の健康被害につながる恐れがあり、実際の被害がなくても、利用者が不安に感じることで企業イメージの失墜を招く恐れもある。

(出所:サトー)
医薬品・医療機器の物流については厚労省が「医薬品の適正流通ガイドライン」(GDPガイドライン)を定めており、ガイドラインを順守するのはもちろん、企業としても万全の対策を講じる必要がある。
輸送中の温度管理については、「温度ロガー」と呼ばれる温度を記録できる装置を利用する方法がある。医薬品は、原料の調達や製造、完成品の保管、輸送といった各工程での温度管理を徹底することで、品質が保たれているが、目視や手書きの記録で温度を常時監視、管理するのは難しい。このため、温度ロガーのような温度を自動的に記録する装置を使って、温度変化を確認し、異常値があった場合に対応できるようにするのが望ましい。
同社が扱う温度ロガー付きRFIDラベル「LogBiz – Thermo Ver. 2.0」は、対象物へ貼り付けたタグをスマートフォンで読み取るだけで、製造現場や流通過程の位置情報とひも付けられた温度履歴を可視化でき、製品を容易に追跡できる。任意で設定した時間の間隔で温度を記録し、時系列で履歴を確認することができるため、後からトラブルの原因を検証することも可能になる。
また、医薬品・医療機器の梱包箱や折りコンなどの輸送用容器に封かんシールを貼れば、不正開封や偽装、盗難対策になる。シールには剥がすと痕跡が残る特殊な加工が施されており、ラベルの貼り直しができないため、容器などが一度開けられた場合、すぐにわかる。
封かんシールを導入した医薬品卸のティーエスアルフレッサ(広島市西区)では、納品までの間にオリコンが開封された場合、納品データと照合できる体制を作ることで、顧客の立ち合い検品をなくすことができた。シールの貼り付け作業も、自動貼付機の導入によって完全自動化されている。
同社は、医薬品・医療機器の物流上の課題を解決するには、バーコードやRFIDなどの自動認識技術の活用が有効だとしている。
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