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東邦テナックス、タイ圧力容器メーカーに炭素繊維を供給

2011年1月11日 (火)

アパレル帝人は11日、グループで炭素繊維事業を展開する東邦テナックス(東京都千代田区)が、タイの大手圧力容器メーカー、メタル・メイト社と炭素繊維「テナックス」の原糸を独占供給する契約を締結した。メタル・メイト社が開発・製造する天然ガスタンク向けに同社の炭素繊維を供給するもので、年間1000万米ドルの売り上げを見込んでいる。

 

環境負荷の小さい天然ガス自動車の普及に伴い、燃料となる天然ガスを貯蔵するために圧力容器の需要が急増している。タイではこれまで、金属製容器が用いられていたが、メタル・メイト社は急増する自動車用天然ガスタンク需要、容器の軽量化・大容量化のニーズに対応するため、開発に取り組んできた。この結果、金属製容器を薄肉化し、容器全体に炭素繊維「テナックス」を巻きつけて樹脂で固めることにより、軽量化、大容量化を可能にした圧力容器の開発に成功した。

 

東邦テナックスでは、航空機・自動車用途、風力発電用途と並んで圧力容器用途を重点領域としていることから、メタル・メイト社との独占供給契約を契機として、中国・東南アジアを中心とするアジア圏内での圧力容器用途の拡大展開を積極的に進める方針。中長期的には、欧米を含むグローバル展開を図り、2015年に圧力容器用途の炭素繊維売上高を5000万米ドルにまで拡大することを目指す。

 

東邦テナックスでは「アジア市場での炭素繊維のプレゼンス向上を図り、圧力容器用途に加え、電子機器や自動車部品、風力発電用途など、需要が急拡大すると予想される一般産業用途で、新規顧客獲得、市場開拓を目指していく」としている。