ピックアップテーマ
 
テーマ一覧
 
スペシャルコンテンツ一覧

アマゾン、拠点一般公開に見る透明性と成長モデル

2025年10月9日 (木)

ECアマゾンジャパン(東京都目黒区)は6日、物流拠点を無料で見学できる一般向けの「Amazon Tours」の受付を開始したと発表した。千葉市美浜区にある千葉みなとフルフィルメントセンター(FC)で実施する。ツアーの所要時間は60分から90分。参加者は施設内を巡りながら、同社の物流を支える技術、働く人々、安全な職場環境、地域社会への貢献について学べるとしている。

▲千葉みなとフルフィルメントセンター

同社は千葉みなとFCを2023年に開設。同施設は延床面積12万平方メートル、東京ドーム2.5個分の広さを持つ。商品棚を持ち上げて移動するAmazon Roboticsなど先進技術を導入する拠点として国内最大規模となった。

同社はAPAC地域でAmazon Toursを開始することについて、「Amazonが透明性を大切にし、地域社会とのつながりを深め、働きがいのある職場であり続けようとする姿勢のあらわれ」と説明する。地域の人々に、より身近に、そして新たな形で同社を知ってもらえることに期待しているという。

この取り組みは米国、フランス、イタリア、ドイツ、豪州、英国、カナダで展開してきた実績がある。25年中に日本を含む7か国(インド、メキシコ、ブラジル、スペイン、ポーランド、ベルギー、日本)で新たに導入する。グローバル規模での展開は、同社が物流拠点の公開を単なる広報活動ではなく、企業戦略の中核に位置づけていることを示している。

▲6月のメディアツアーで公開した施設内の様子

同社はAmazon Toursについて「お客様に高い安全性、信頼性、先進性のもとAmazonがどのように日本全国のお客様に商品をお届けしているのか、その裏側をご確認いただける貴重な機会となる」と述べた。さらに、このツアーについて「Amazonがどのように日本全国のお客様に安全で迅速、かつ効率的に商品をお届けしているのか、FCの裏側を知っていただくきっかけとなることに期待している」と抱負を語った。

物流プロセスの透明化は顧客満足度の向上だけでなく、企業への信頼醸成にも直結する。特に近年、EC市場の拡大に伴い物流への関心が高まるなか、同社の物流戦略を直接体験できる機会は、ブランド価値の向上に寄与すると考えることもできる。

アマゾンは世界規模で物流網の効率化と拡大を進めている。米国では26年末までに40億ドル超を投じて地方配送網を拡充する方針を発表している。日本でも7月に新たに6つのデリバリーステーションを開設し、翌日配送や当日配送を強化しているのも、その表れだろう。同社の物流拠点ではAIとロボットを活用した次世代システムが稼働している。日本の千葉みなとFCでも、こうした最先端技術が導入されている。ツアー参加者はその実態を目の当たりにすることができる。

▲円滑に規則正しく移動するAmazon Robotics

同社が「地域の皆さまに、より身近に、そして新たなかたちでAmazonを知っていただけることを、私たちはとても楽しみにしている」と繰り返し強調するのは、透明性を通じた信頼構築が、長期的な企業価値向上につながるという確信があるからだろう。Amazon Toursはアマゾンが描く物流戦略の新たな一章であり、透明性を軸とした成長モデルの実践例といえるのではないか。

■「より詳しい情報を知りたい」あるいは「続報を知りたい」場合、下の「もっと知りたい」ボタンを押してください。編集部にてボタンが押された数のみをカウントし、件数の多いものについてはさらに深掘り取材を実施したうえで、詳細記事の掲載を積極的に検討します。

※本記事の関連情報などをお持ちの場合、編集部直通の下記メールアドレスまでご一報いただければ幸いです。弊社では取材源の秘匿を徹底しています。

LOGISTICS TODAY編集部
メール:support@logi-today.com

LOGISTICS TODAYでは、メール会員向けに、朝刊(平日7時)・夕刊(16時)のニュースメールを配信しています。業界の最新動向に加え、物流に関わる方に役立つイベントや注目のサービス情報もお届けします。

ご登録は無料です。確かな情報を、日々の業務にぜひお役立てください。