フードニチレイは15日、ニチレイフーズグループのニチレイ・アイス(東京都中央区)が、生産・輸送・在庫計画の立案業務を自動化するAI(人工知能)システムを導入したと発表した。日立製作所と協創で開発したもので、包装氷の需要変動に対応しながら計画立案にかかる時間を従来比で70%削減。熟練担当者のノウハウを取り込み、属人化していた業務を効率化することで、生産・物流現場の負荷軽減と安定供給体制の強化を図る。
包装氷は季節による需要変動が大きく、繁忙期には生産・輸送・在庫の最適配分を高精度で判断する必要がある。従来は担当者の経験に依存しており、限られた人員で複雑な制約条件を処理することが課題だった。新システムでは、日立の数理最適化技術を活用した「計画系業務最適化サービス」をベースに、生産能力や輸送手段、倉庫容量など40を超える制約条件と10項目のKPI(指標)をAIが同時に考慮。ニチレイ・アイスが扱う50品目、200万通りに及ぶ計画パターンから最適解を自動抽出する。
これにより、作業時間の短縮だけでなく、需要変動に合わせた柔軟な再計画も可能となった。欠品や過剰在庫のリスクを抑えつつ、輸送効率や在庫コストを最適化。さらに、システム上での可視化により、コスト構造や稼働状況の分析も容易になった。
ニチレイフーズは2018年以降、AIやロボティクスを活用した工場の自動化を進めており、鶏肉加工の選別AIや炒飯の焦げ取りロボットなどを導入してきた。今回の導入はその延長線上にあり、グループ全体の生産性向上とサプライチェーン最適化を目指す。今後は物流領域を含む他事業にも応用し、AIによる計画業務の標準化と働き方改革を推進する方針だ。
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